【第3424回】



年齢が40も過ぎると

昔を振り返ることが増えました。


就職氷河期世代にとって

「過去のあれは何だったのか」


という振り返りが盛んに

なるのもよく分かります。


当時は何が何だかわからず


子どもの時に感じていた

大人の世界が、これほど

手ひどいものだったのかと


打ちのめされていたからです。





そんな中、昔やった

ゲームや音楽にも

振り返りが起きていて、


1995年に出た

「ドラクエ6」を久しぶりに

やってみたところ、


非常な驚きがありました。


30年前に出ているゲームに

ネタバレも何もないでしょうが、


この物語は


夢と現実に分裂させられた

主人公が本来の自分を取り戻し、


分裂させた悪を滅ぼす

というものだったのです。


これは現実の意識と

無意識(夢)の乖離、


そのことによる

現実の世界に対する不適応、


そういう精神的な病全ての

根源を表現しています。


つまり言い換えるなら


自我の統合、

一人の人間の個性化、


そのことで現実的に生きて

問題解決するまでを


描いた物語だと言えるでしょう。





実はこうした

精神的な問題を描いたRPGは


ファイナルファンタジー7

(1997年)が


最初のものだと

僕は思い込んでいました。


あれも完全に自我の統合の

物語だったからです。


統合失調の病的な有様を

分かりやすく描いてすらいます。


そういう意味で

ドラクエ6、堀井雄二さんの

RPGに対する挑戦は


やはりエポックメイキング

だったんだと感心した次第です。


個人的な意見として

ご参考まで。