【第3382回】



経験に基づく選択の解釈はまだ定まっていないが、

稀な事象がなぜ過小評価されがちなのか、

その主な理由についてはおおむね合意が形成されている。


一言で言えば、多くの回答者は稀な出来事を

全然経験していない、ということである。



(p.182「ファスト&スロー〔下〕」

 ダニエル・カーネマン 早川書房)



引用は詰まることろ

イメージの問題です。


メディアで繰り返し

見聞きさせられた

「稀な出来事」には


過大評価しがちなのですから


「経験していない」

ということが意味するのは


「イメージできない」

ということに尽きるでしょう。


そういう意味で、

人間の評価というのは

簡単に洗脳が可能と言えます。


どうでも良いことすら

メディアの表現によって


過大な価値を

感じさせるはずです。





裏金を騒いでいますが、


パーティー券を出す催しなど

公に開かれていたのは


わかり切っているのですから、


この問題について

ジャーナリズムが

知らなかったわけがありません。


知っていたのに

なぜ、いま騒ぐ気になったのか

という問題がひとつ、


もうひとつが、知っていたのに

放置していた期間が


どのようにジャーナリズムに

操作されていたのか


ということです。


裏金を騒ぐなら

そこまで掘り下げないと

現実を見誤ります。





経験しないことを

全く評価せず、


イメージさせられたことは

過大評価する、


それは現実を生きるに

不都合すぎます。


自ら学問すべき所以でも

あるでしょう。


個人的な意見として

ご参考まで。