【第2877回】



岸田首相が夏休み中に

いくつか本を買っていて


「同志少女よ、敵を撃て」


がその中に含まれていたので

読んでみました。


二次大戦の独ソ戦における

ソ連の女性スナイパーを

描いた物語になりますが


いかんせん、文体が

ラノベ風だったので


二次大戦ものでありながら

グロの異世界もの、

のように読めてきて、


そこが少しもったいない

と思えました。


最近の小説は

犯罪ものであろうと

エンタメ現代劇であろうと


ほとんどがラノベ文体なので


僕にとっては

なかなか手に

取りづらいのですが


それでも本書が多くの人に

支持されることは

理解できた次第です。





戦争史実の物語は

いくつか読んだり

映画でも見ていますが、


知識として

新しくはあるものの


僕としては

どれも印象が同じです。


「戦争をしてはならない」

ということはわかるのですが


「じゃあ、どうやって?」


という部分になると

「何としても!」

という根性論になります。


帝国主義時代は

軍事的支配が経済的利益に

なったわけですが、


現代では軍需産業の

利益のために

代理戦争への需要があります。


つまり、喧嘩をけしかけて

応援して武器を売る


というのが


朝鮮戦争以後

ずっと連鎖しているのです。


そこに正義や道徳が乗っかると


ゼレンスキーのように

戦争を引き延ばすことを

是としてしまいます。


もちろん、プーチンにも

責任はありますが、


もし日本が戦争を反省する時

日本兵の在り方を非難するなら


ゼレンスキーもすぐに

戦闘を止めるべきなのです。


いずれにしても

殺し合いですから、


先述の本のテーマでも

独ソどちらか一方を

美化しないように


気を使っています。





日本が江戸時代に


250年以上の

戦争のない時代を築いた

背景には


武士の存在が大きいと

言えます。


武士には庶民を

切り捨て御免できるほどの

権限がある代わりに


ほんの少しの失敗や

欺瞞に対して


切腹という責任の

取り方がありました。


そして、なにより

清貧を体現する意味で


蓄財に精を出すことを

卑しいとしてたので


庶民はその姿勢に

納得していたわけです。


(つまり藩政のために

知力、財力を傾けること)


そのおかげで


坂本龍馬あたりが

グラバーなどの白人に

そそのかされるまで


クーデターもなかった

と言えます。





権力の堕落を防ぐためには


権限の強化、責任の厳格化が

必須であり、


そのことが、


戦争を外交手段や

経済的利益に利用させない


リーダーを育てると

考える次第です。


ご参考まで。