【第2835回】




人生において鍵を握るのは蓄積ではなく

貢献であることは原則であり、揺るぎないものだ。

重要なのは物を積み上げることではない。他者に奉仕することなのである。



(p.146「第3の案」

 スティーブン・R・コヴィー 

 キングベアー出版 2011年)



引用を読んで、

どう感じるでしょうか。


確かにそうだ

と感じるでしょうか。


それとも、


自分はそうなれないが

他人にはそうであってほしい


と願うでしょうか。





引用で理解すべきなのは

蓄積と貢献の違いです。


一般社会で僕らが

賞賛しているのは


間違いなく、


何がしかの蓄積をなした

有能な人物に対する

ものになります。


あるヒーローに対して


その賞賛したくなる

ポジティブな気持ちが

彼の貢献だから、


実際の行動が

蓄積であっても構わない


と思う人もいるでしょう。


しかし、それは

自分の願望の投影であって


本当に逆説的な貢献の

効果があるとしたら


願望を投影しなくなり、


貢献に対する気持ちが

率直になるものですが、


やはりそこは個人主義の

成功と成果の独り占めへと


意識を醸成します。





何が言いたいかって


現代は貢献よりも

蓄積へと意識を支配される


そういう時代だ

ということです。


それはメディアによる

意識の支配と言えます。


僕などは、20歳から

20年以上子育てをしてきて


(4人の子供の一番下が

いま3歳の女の子です)


本当の無私の貢献感を

既に味わっているから

よくわかりますが、


何一つ見返りなど

欲しいと思いません。


それは自分の願望を含めて

なにも思わないのです。


そうすると何が起きるかって

誰もその貢献に

気づかなくなります。


しかし、それこそが

人生の鍵である愛情

というものなのです。





僕も偉そうに言えない部分が

あるに違いありません。


しかしその

“感じ”を得ることに


現代社会は価値を

置かないがゆえに


「損をさせられている」


という怒りを

植え付けられているのです。


ご参考まで。