【第2659回】
昨日の記事で
矛盾ではないかという
意見があったので
補足的に今日は述べます。
その矛盾とは、
組織労働者のための教育は
集団的盲従を意味しており、
それは「臨機応変さ」や
「仕事の意味を
理解する必要がある」
としながらも、
真の教育は丸暗記させる
ものになる
という点にあります。
盲従と言いながら
臨機応変と言ってみたり、
真の教育と言いながら
丸暗記という事では
結果的にどちらも
同じではないかという事です。
もちろんそれは違います。
…
集団的盲従にとって
「臨機応変」とは
自分を殺して
他人に合わせるために
変化を必要とすることです。
そして、「仕事の意味を
理解しなければならない」
というのは
自分で考えた意味であり
意義を捨てて、
他人のこしらえた
意味だけを知るべきだ
という思考停止を
指しています。
…
頭の中まで徹底して
自己を否定するのが
集団的盲従である
ことに対して
丸暗記というのは
意味を問いません。
意味を問うのは
必ず自己であって、
自己の思考を
鍛えるためには
丸暗記しかないというのは
そういう意味です。
そしてその丸暗記する対象は
歴史に耐えて、受け継がれた
知恵を指しており、
ここ二~三百年で起きた
科学革命のような
新興宗教的な生き方を
指していません。
人間の制約を取り払うことと
複雑な人生を生き抜くこととは
意味が違うからです。
…
ドラッカー先生も
著作で述べている通り、
家族の概念を破壊したのは
組織労働です。
家族で協力して暮らす
ということを止めて
組織に引っ張り出して
豊かさを享受した結果、
豊かさの目的である
家族を破壊しました。
それを現代人は
価値観の問題として
家族概念を古い古い
と言いますが、
環境によって変化したこと、
変化させられたことに
気づいていないだけなのです。
ご参考まで。