【第2658回】




暗記するだけで意味がわからなければ、無意味なことだと言うが、

それでは「論語」の意味とはなんでしょう。

それは人により年齢により、さまざまな意味にとれるものでしょう。

一生かかったってわからない意味さえ含んでいるかも知れない。

それなら意味を教えることは、実に曖昧な教育だとわかるでしょう。

丸暗記させる教育だけが、はっきりした教育です。



(p.145「人間の建設」

 小林秀雄 岡潔 

 新潮文庫 1965年)



引用は批評家の小林さんの

言葉になります。


引用を言い換えるなら


子どもでも分かるような

意味しか持たない教育など

教育ではない


という事になるでしょうか。


現代で行われるのは

組織労働者を育成するための

教育であって、


時間を守る事や

指導者に盲従すること、


大勢の中で同じことが

できるようになること、


それらに疑問を持たないこと

などなどが


身につくようにするのが

目的と言えます。


だから丸暗記では

役に立ちません。


組織労働者として

臨機応変さは必要で、


それは仕事の意味を

理解することも含まれます。





組織労働のための

教育が良いか悪いかは

別としても、


人生を知るための教育、


結婚して男女が

協調するための教育、


子どもを育てるときの

心の持ちようや、


財産の管理、利用法など


本当に人生で必要な教育は

ほとんど皆無です。


これら真の教育を

不要とするためにも


安易な

トランスジェンダー思想や

家族概念の否定があり、


ハイソ人間であるほど

それを肯定するものなので


働いて盲従するだけの人間が

苦しむ羽目になります。





社会の現象を見れば


小林さんのいう種類の

教育が必要なことは


言うまでもありません。


学校がなさなければ

親がするしかありませんが、


親は親で、教育者として

訓練されたわけではないので


継続学習は誰にとっても

必要だと感じます。


個人的な意見として

ご参考まで。