【第2104回】



原因と症状のどちらを突き止めるほうが効果的だと思うかね

(中略)

それでは、一つの問題の原因を突き止めるのと、

たくさんの問題の原因を突き止めるのとでは、どちらが効果的だと思うかね



(p.235「ザ・ゴール2 思考プロセス」

 エリヤフ・ゴールドラット ダイヤモンド社 2002年)




引用は、大きな効果をもつ

解決策をもたらすこと、


ひいては顧客満足に対して

大きな効果をもつことを


確認するための質問です。


原因と症状では

原因を突き止めたほうが

効果的であって、


症状を和らげるものは

一過性のものになります。


そして一つの症状の

原因を突き止めるより、


多くの症状に共通する

原因を突き止めたほうが


より効果と汎用性の高い

解決策を提示することが

できるのです。





こんな話では

多くの人の仕事に対する

解決を与えないことぐらい


重々承知ですが、


それぞれの

状況、環境において


同じ方法論が

通じるわけがなく、


やはり効果的なのは


この考え方を各々が

自分の仕事で実践すること

以外にありえません。


とくに一つの症状に対して

原因を探るときには


勘違いで原因を特定する

かもしれないので、


「同じ市場で違った問題が

多発するときに


何が原因となって

多くの問題を

引き起こしているか」


という問いで

自分の導いた原因を

検証したほうが


より精度を高めることに

つながると言えるでしょう。





さて、コロナ騒動の場合は

どうでしょう。


このコロナ騒動で起きた

多くの問題のおおもとの

原因は何でしょうか。


それは人が死ぬことです。


他の要因でも人は

たくさん亡くなっていますが


とにかく、死ぬことが

クローズアップされすぎた結果


他の死因に比べて

非常に過剰な反応と価値を

おいてしまいました。


つまるところ原因は

メディアのフォーカスの手法に

あると言えそうですが、


これを報道の自由と言うなら


人が死ぬことを原因として


そこからコロナ騒動を

沈静化する方策を

考える必要があるのです。


じゃあ、死ななければいい

という答えが出そうですが、


高齢者や基礎疾患、肥満の人は


コロナに対して

抵抗力が弱いので


死のリスクをゼロに

できません。


そうなると

以上の条件の人が


「コロナにそもそも

かかってはならない」


ということが導かれ、


彼らがコロナのありそうな

場所に近寄らず


コロナのありそうな場所に

行く人に近寄らないように

することが


最善となるはずです。


全員が自粛して

コロナ以外の死の要因を

拡大させるよりは


よほど現実的と言えます。


支援や補助を出すのは

そうした条件の人に


限定することも可能だった

はずですから。


にもかかわらず、

社会はコロナにまつわる症状に

目を向けて


つまり「感染すること」を

防ごうとしているのです。





何が言いたいかって

引用のような

合理的な教えがあっても


人は感情に流されて

実践に至りにくい

ということです。


とにかく、原因という

目に見えないものより


目の前の症状が気になって

仕方ないのです。


これを乗り越えることこそが

実のところ問題解決の

ボトルネックとなっている


そんな風に思います。


ご参考まで。