【第1307回】



いらだたしい体験や退屈な体験は、

中断した方がつらくないように思えるが、

じつは中断のせいで、順応能力が低下してしまう。

(中略)

家を掃除したり、

確定申告の準備をしたりするときのコツは、

腰を落ち着けて一気に片付けてしまうことだ。



(p.240「不合理だからすべてうまくいく」

 ダン・アリエリー 早川書房)




何かの本で、


工場労働を昼の一時間の

休憩を入れずに、

続けて作業することにし、


八時間労働から

六時間労働にした方が


効率がアップし、

やる気が維持され、


一日の使える時間が

増えたことで

労働者の満足が高まった


という話を

読んだことがあります。


もちろん、一日の賃金は

変化させません。


この話は引用文と

無関係ではないでしょう。


確かに僕が

作業や仕事を一人でする場合、


休憩なしで一気に

短時間で済ませたほうが


疲れないことを

実感しています。


他人や会社での休憩が

いちいち入るほうが


変にだらけて疲れるのです。


一般には、休憩を取らないと

他の人に示しがつかない


ということで、強制的に

休ませているのですが、


引用文を見る限り

良い効果があるとは言えません。


こんなことを

そのまま鵜呑みにされると

ブラック発言になるので


付け加えるならば、


「おのおのの区切りで

仕事を進めるべきだ」


ということが正確な

解答になるわけですね。





まとめてざっくり言うならば、


嫌なこと

面倒なことは


続けることで順応による

苦痛軽減があるため


一気に済ませるべきです。


そして、楽しいことは


順応による

快楽の低下を防ぐために


休み休みだらだらと

やったほうが


その快楽を維持できる

ということになります。


あらゆる場面で

目的達成のために使える


人間の感覚的な法則

と言えましょう。


ご参考まで。