メキシコのチアパス州、特にサン・クリストバル・デ・ラス・カサスやチャムラなどの地域では、住民が水よりもコカ・コーラなどの炭酸飲料を多く消費している
チアパス州の住民は平均で1日あたり約2.2リットルのコカ・コーラを消費。これは世界最高レベルの炭酸飲料消費量で、水よりも安価で入手しやすいことが背景にある。
コカ・コーラは地域の儀式や社交場で広く飲まれ、一部では宗教的儀式にも使用される(例:チャムラの先住ツォツィル族の儀式)
地域の飲料水不足や汚染により、ボトル入りのコーラが安全な飲料として選ばれる。地元のコカ・コーラ瓶詰め工場が大量の水を使用し、飲料水供給に影響を与えているとの批判も。
過剰な消費により、2型糖尿病や肥満が急増。特にサン・クリストバルでは、幼児がミルク代わりにコーラを飲む例も報告されている
一部の住民は、コカ・コーラの過剰摂取が健康に悪影響を及ぼすことを認識しています。特に、都市部や教育を受けた層では、砂糖の過剰摂取が肥満や健康問題を引き起こす可能性があるとの情報が広まりつつあります
農村部や先住ツォツィル族などのコミュニティでは、健康リスクへの認識が限定的。コーラは「安全な飲み物」として広く受け入れられ、飲料水の代替として日常的に消費されています。文化的・宗教的な儀式での使用も根強く、健康への懸念が後回しになる傾向があります。
保健当局やNGOによる啓発活動により、炭酸飲料の過剰摂取が糖尿病の原因の一つであるとの情報が一部住民に浸透し始めていますが
それでも、知識の普及は不均一で、特に低所得層や教育機会の少ない地域では、糖尿病とコーラの直接的な関連を理解していない人が多い。コカ・コーラが安価で入手しやすく、飲料水不足の代替として頼られているため、健康リスクよりも利便性が優先されがちです。
人の七難より我が十難
