将来、日本経済の牽引役になるかもしれないベンチャー企業の最新技術が中国に漏れるかもしれない。それも日本の大企業の手によって――。
大きな可能性を持つベンチャーの名前は「APB」。福井市に本社と工場を置き,「全個体電池の次」と言われる「全樹脂電池」を開発している。
全樹脂電池とは文字通り電解質に樹脂を使った二次電池のこと。
現在、スマートフォンやEVに使われているリチウムイオン電池の電解質は水溶液や有機溶媒である。漏れやすく発火しやすいので、EVに搭載するときは厳重に保護されている。



トリプルワンが福井の工場視察に連れてきた4人の名刺を見て、堀江氏は愕然とする。2人は華為技術日本の副社長と本部長、あとの2人は中国深センの本社からきた技術者だったのだ。「華為」とはもちろん、中国の通信機器大手・ファーウェイのことである。
「中国企業の幹部がついてくることなど知らされておらず、驚いた堀江氏は、ある調査会社にトリプルワンの実態調査を依頼しました。すると山口氏と大島氏は頻繁に深センを訪れていることが分かったというのです。
さらにトリプルワンはAPBに対し、中国で全個体電池を開発している『アンパワー』という会社との協業を勧めてきたといいます。


三菱商事株式会社にて18年間、プライベート・エクイティ事業の領域におけるベンチャー投資、バイアウト投資、ファンドのストラクチャリング・組成業務、投資先企業の成長支援業務に従事。
アメリカやヨーロッパでの駐在歴も長く、海外の投資先企業に経営陣として参画して企業再編などの業務も担う。
2018年から、モビリティーを通じて社会課題を解決するスタートアップ・Global Mobility Service 株式会社にCFOとして参画。
FintechとIoTを駆使することで、世界の貧困層・低所得者層が自動車を使える新しい仕組みを構築してきた。(CFOとして、56億円以上の資金調達を実施)
2022年より、株式会社 BOND 代表取締役、株式会社 TRIPLE-1 取締役副社長、APB株式会社取締役副社長に就任。