世見
2024年1月25日(木曜日)
日本の海岸線
日本三景と言えば、丹後天橋立、陸奥松島、安芸巌島です。これが日本三景に繋がったのは、江戸前期の儒学者林春斎が奇観と著したからですが、あの時代どのくらいの時間をかけて、この三つを日本三景と言ったのでしょうか。
日本は、海岸線の風景が美しい国です、九十九里浜には長い砂浜があり、三陸海岸のように入り組んだ谷もあります。また、親不知子不知には断崖絶壁があるなど、日本というのは海岸線の表情がとても豊かです。
現在の日本の海岸線は、全てが自然海岸ではありません。
3分の1程が人工的に造られた海岸です。
自然のままの海岸は少なくなりつつあります。
海のない県もありますが、海岸線には人の心を癒す力があるように思います。
問題なのは、全国の砂浜が消滅の危機にあるということです。
海岸・砂浜といえば、日本には各地に羽衣伝説があります。
昔はさぞ美しかったことでしょう。
鳴き砂で有名な京都の琴引浜や、宮城県の気仙沼市の十八鳴(くくなり)浜は、今でも鳴き砂なのでしょうか。
今、鳥取砂丘には植物が生えてきたと、ニュースで伝えられていました。
日本の美しい砂浜がこれからどうなるのか、とても心配になります。
地球温暖化による海水面の上昇は深刻です。
海面30cmの上昇で、砂浜の56%が減少するのです。
日本の海岸線は、埋立や道路建設などで、これから益々人工的になっていくことでしょう。
砂の造り上げる造形美は見事です。
川が砂を運び、漂砂は自然の造形美をつくるのですから、自然界は芸術家なのかもしれません。
あなたも旅を計画される時は、美しい海岸線もプランの中に入れてみては如何でしょうか。
きっと、心が洗われますからね。