世見
2022年1月26日(水)


エジプトの聖獣  

ペットが可愛いのは、飼っている生物の命をあずかっているからだと思います。
古代エジプト人も、大変な動物愛好家が多かったのがわかります。
動物好きな古代エジプト人は、富豪だけでなくたくさんの人が多種なペットを飼っていたようですよ。
最も多く飼っていたのが犬と猫。小鳥も観賞用に庭先で飼われていました。
又、猿は珍しい動物ではなく、貴族の家などではしばしば見ることが出来ました。
キリンやヒョウなどの動物は、船に乗せられてやって来たというのですから凄い話です。
交易によってエジプトに運ばれて来た珍しい動物達は、主に宮殿の庭や神殿で飼われていたというのですから、ペットの種類はさることながら、古代エジプト人の動物好きには驚かされます。
又、彼らが様々な動物を神格化したことでもビックリしてしまいます。
神格化された動物達の中で、最も多くの場所で崇拝され、最高の扱いを受けたのは牛でした。
牛は働き手として、又乳や肉を得る家畜として、そして神への供物のひとつとして扱われていましたから、聖獣の地位が与えられていたのでしょう。
牛の神格化は牡牛と牝牛の両方に及んでいたのですが、宗教上の役割はそれぞれに異なっていました。
牡牛は、信仰する地域によって、呼び名も機能も違っていたのです。
古代エジプトではアピスと呼ばれ、アレクサンドリアという大都市でもこのアピスが聖獣でした。
日本に於いても牛信仰が残っています。
アピスは古代エジプト人の心を捉えていたのでしょう。
ブウキスの神殿近くの聖域では牡牛が飼われ、多くの信者が拝観にやって来ていました。
牛の前に食物をさし出して、それを牛が拒んだり、食べたりすることで神託を伺ったのです。