きゅうちゅうさいし

天皇皇后両陛下てんのうこうごうりょうへいかは,古くから伝えられる宮中きゅうちゅう祭祀さいしを大切に受けがれ,常に国民の幸せを祈っておられます。年間約30件近くの祭儀さいぎが行われています。



主要祭儀一覧

月日祭儀内容
1月1日四方拝しほうはい早朝に天皇陛下が神嘉殿南庭で伊勢の神宮,山陵および四方の神々をご遙拝になる年中最初の行事
歳旦祭さいたんさい早朝に三殿で行われる年始の祭典
1月3日元始祭げんしさい年始に当たって皇位の大本と由来とを祝し,国家国民の繁栄を三殿で祈られる祭典
1月4日奏事始そうじはじめ掌典長が年始に当たって,伊勢の神宮および宮中の祭事のことを天皇陛下に申し上げる行事
1月7日昭和天皇祭しょうわてんのうさい昭和天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)夜は御神楽がある。
1月30日孝明天皇例祭こうめいてんのうれいさい孝明天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)
2月17日祈年祭きねんさい三殿で行われる年穀豊穣祈願の祭典
2月23日天長祭てんちょうさい天皇陛下のお誕生日を祝して三殿で行われる祭典
春分の日春季皇霊祭しゅんきこうれいさい春分の日に皇霊殿で行われるご先祖祭
春季神殿祭しゅんきしんでんさい春分の日に神殿で行われる神恩感謝の祭典
4月3日神武天皇祭じんむてんのうさい神武天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)
皇霊殿御神楽こうれいでんみかぐら神武天皇祭の夜,特に御神楽を奉奏して神霊をなごめる祭典
6月16日香淳皇后例祭こうじゅんこうごうれいさい香淳皇后の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)
6月30日節折よおり天皇陛下のために行われるお祓いの行事
大祓おおはらい神嘉殿の前で,皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事
7月30日明治天皇例祭めいじてんのうれいさい明治天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)
秋分の日秋季皇霊祭しゅうきこうれいさい秋分の日に皇霊殿で行われるご先祖祭
秋季神殿祭しゅうきしんでんさい秋分の日に神殿で行われる神恩感謝の祭典
10月17日神嘗祭かんなめさい賢所に新穀をお供えになる神恩感謝の祭典。この朝天皇陛下は神嘉殿において伊勢の神宮をご遙拝になる。
11月23日新嘗祭にいなめさい天皇陛下が,神嘉殿において新穀を皇祖はじめ神々にお供えになって,神恩を感謝された後,陛下自らもお召し上がりになる祭典。宮中恒例祭典の中の最も重要なもの。天皇陛下自らご栽培になった新穀もお供えになる。
12月中旬賢所御神楽かしこどころみかぐら夕刻から賢所に御神楽を奉奏して神霊をなごめる祭典
12月25日大正天皇例祭たいしょうてんのうれいさい大正天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)
12月31日節折よおり天皇陛下のために行われるお祓いの行事
大祓おおはらい神嘉殿の前で,皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事


米は神道において稲作信仰に起因する霊的価値を有する穀物とされています。
一年の収穫を祝う大祭である新嘗祭(にいなめさい)でも新穀を天皇陛下御自ら神々に奉られ、また御自らもお召しあがりになられます。ここで供える米と粟は皇居内で作付されたもの。



新嘗祭は数ある宮中儀式のなかでも最も重要な祭事のひとつです。期日は11月23日になります。

そして太平洋戦争後、国民の祝日に関する法律が制定され、新嘗祭の日である11月23日はその精神を引き継いで勤労感謝の日と改められました。


その名の通り勤労感謝の日とは

「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」です。


祝われる勤労と生産の象徴であるのが稲作。それを国家元首自身が実践されるという例は稀有なものです。



皇室による稲作は大昔からあったものではありません。
明治期より神田はありましたが、昭和2年(1927年)に昭和天皇が赤坂離宮内苑菖蒲池そばの神田ではじめたものが現在に引き継がれているのです。



農業の奨励と農家の苦労を偲ぶために始めたとされております。



昭和天皇と言えばまず思い浮かべるのが海洋生物や植物の研究。生物学者としてなんと200種以上もの新種を発見されています。


先日、上皇(平成の天皇)が新たに新種のハゼを発見し、英語の論文を学術誌に発表したことが報じられた。上皇の父、昭和天皇はヒドロ虫(ヒドロゾア)という刺胞動物や粘菌の研究に没頭したことが知られ、現天皇は歴史的な水上交通システムの論文を書き、弟の秋篠宮はナマズやニワトリの研究を、妹の黒田清子は野鳥の観察研究をしている。