松原照子世見
2021年8月22日(日)


奈良の大仏  

日本の仏様って、同じようでチョット違います。
不思議なくらい、誰もが仏様と出会うと手を合わせます。
仏様ってやっぱり神秘的ですね。
きっと、多くの人の心と対話されて来られたからかもしれませんね。
日本にはいったいどのくらい仏様がおられるのでしょうか。
飛鳥の地へ最初に根付いた仏教とは‥‥。
急速な広がりを見せたのは、聖徳太子と蘇我氏の力によるものですが、蘇我氏が乙巳の変で滅ぼされた後、大化の改新が始まると、孝徳天皇が仏教を保護、統制すると宣言。
元明天皇が平城京への遷都を果たすと、仏教は増々重要視されていったのです。
その象徴と言ってもいいのが、聖武天皇による大仏の造立。
国家規模のプロジェクトでした。
当時の国家予算の3倍の費用をつぎ込んだのですから、財政は逼迫し、税は跳ね上がりました。
農民達は無理やりに駆り出され、民は貧困に喘ぐことになったのです。
工事に関わった人数は、7年間で延べ260万人。
当時の日本の人口の約4割にもなる計算です。
大仏の工事に出稼ぎに行った者達には旅費も出ず、餓死する者が続出。
聖武天皇は、国が極度の疲弊に陥っていても、大仏に拘りました。
その理由は、長屋王の崇では‥‥と妄想にかられたからだと言われています。
遷都を繰り返したのも長屋王の怨霊から逃げるためだったようです。
752年、盛大な大仏の開眼供養会を見届けた後、聖武天皇は崩御されたといいます。
多くの人の涙が流れたことでしょうが、あれだけの大仏が完成しました。