5つ星のうち1.0
具体的な予言が書かれた本ではなく、ニュースをもとに感想文を集めたような本2020年12月2日に日本でレビュー済み
まず、この本に具体的な予言は一切書かれていません。わかりやすく時期を明確に絞った予言はひとつもなく、語尾も「でしょうか」「かもしれない」のオンパレードです。基本は、ニュースになるような話題をいくつも取り上げ、松原さんが感想めいたことを数ページ書くという構成。その内容はブログの世見で書かれていることと大差ありません。
正直いって中身はとても薄いのですが、その薄いなかでも疑問に思うことが多々ありました。そこで長くなるため一部に絞りますが、超常現象を研究している者として以下で指摘しておきたいと思います。
●東京オリンピックの中止を予言した?
本書の前書きでは、東京オリンピックの中止を予言していたと書かれています。ですが、松原さんが当初書いていたのは、開催地が東京に決まる前の2012年に、「オリンピックの開催地は東京に決まるか」と会合の参加者から聞かれ、「ない」と答えたというものでした。
当時は招致レースの真っ只中で、東京に決まる可能性は低いと考えられていました。ですから松原さんの答えは大方の予想と同じで意外性はなく、その後に招致が決まった時点で外れが確定していたのです。
しかし、その後に松原さんは東京オリンピックの中止を断言しません。「なぜ、あのとき『ない』と言ってしまったのか自分でも不思議」、「無事に開催されることを願っている」というような言い訳を繰り返しました。
そして2019年9月16日の世見では、開催を前提とした予言まで出しています。東京オリンピックで、「猛暑やゲリラ豪雨が選手を襲う」、「台風が直撃して競技が中止になる」というのです。
この予言は、もし開催されていれば当たった可能性がありますが、いずれにせよ、開催でも中止でも、どちらの結果になっても当たりを主張できるような予言をしていたということです。
●新型コロナウイルスの流行を予言した?
これも前書きで自慢されていることです。しかし松原さんは、2008年8月29日の世見からほぼ毎年、ウイルスの流行を予言し続けていました。もちろん、そこに「2020年、新型コロナウイルスの世界的大流行」といった具体的な予言はまったくありません。
もともと、「新型“インフルエンザ”」を含む何らかのウイルスの大流行というのは、数年おきにおきるものです。これを10年以上の期間で言い続けていれば、どこかで当たるのは当然ですらあります。
必要なのは毎年外し続けても、当たったように見えるまで、曖昧なウイルスの流行予言を書き続ける精神力だけでしょう。
ちなみに松原さんは、2020年2月23日に「第13回 松原照子特別講演会in東京(4月19日開催)」の観客募集を公式サイトで始めていました。ところがその1ヶ月後の3月23日、新型コロナウイルスの流行拡大により、募集の中止を余儀なくされています。
本書の前書きにて、1年以上前に大流行の様子がビジョンとして見えていたと豪語する方が、たった1ヶ月後の未来の様子は見えなかったのでしょうか?
当時からみて未来を知っている現在の私たちからすれば、緊急事態宣言下で第一波のピーク時だった4月19日に、東京で講演会を開催することなど不可能だと簡単にわかります。しかし、松原さんにはそれがまったくわかっていなかったようです。
●無限に延長し続ける富士山の噴火予言
本書を読んでいて驚いたことがひとつありました。富士山の噴火が今後20年以内と書かれていたことです。
もともと松原さんは、2005年のブログ開設当初から富士山の噴火を予言し続け、毎年外し続けていました。そうした中、2013年7月9日号の『女性自身』のインタビュー記事では、「噴火は2014年~16年、待っても18年、どれほど待ったとしても2021年より先ではないと思います」と答えていたのです。
当時からみて8年先まで伸ばすとは随分、曖昧だなと思ったものですが、その2021年まであと1年あまりとなった現在、今度は本書で20年先までさらに伸ばしているのです。もう呆れるしかありません。
●不思議な世界の方々という設定の矛盾
最後に、本書で頻繁に登場する「不思議な世界の方々」について指摘しておきたいことがあります。松原さんは、その「不思議な世界の方々」の中でも最も重要だという「ブルーグレーのおばちゃま」について、はじめて会った時の話が『ムー』の1986年5月号と、2011年に出版された『幸福への近道』で全然違うことを主張しているのです。
両者の違いは、時期、場所、状況など、すべてに及びます。あまりの違いっぷりに、どちらも実話ということはあり得ません。確実に一方は作り話でしょう(もちろん両方作り話の可能性もあります)。
私が懸念するのは、そうした話をさも実話であるかのように吹聴し、それをもとに未来を見ていると称しては、本書の執筆を含む積極的なビジネス展開をしていることです。
読者の方々の中で、ここで指摘した疑問点の一端をご存知の方が、はたしてどれだけいらっしゃるでしょうか。松原さんの「聖世見」とされるものが、本当にそれに値するものか。本書をお読みになる方々には、一度立ち止まって、冷静に考えていただきたいと切に願います。
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内容はだいたいデーターや情報を集め整理しての導かれる推理。
その方面の能力者と謳われる松原さんが、わざわざこれを本として出さなくても。
他の人で、予想本を書くために情報収集しできるなら、そこから導くこんな未来予想本は書けちゃいそうな。
損した気分。
その方面の能力者と謳われる松原さんが、わざわざこれを本として出さなくても。
他の人で、予想本を書くために情報収集しできるなら、そこから導くこんな未来予想本は書けちゃいそうな。
損した気分。
5つ星のうち1.0
しょぼかった2021年3月30日に日本でレビュー済み
大したこと書いてなくてガッカリしました。買うほどの事はないと思います。値段が高い割には情報量と質が物足りなかつたです。残念でした。