新型コロナウイルスの発生源や感染拡大の経緯を巡り、独立した調査が必要だと主張するオーストラリアに、中国が猛反発している。オーストラリアは今月半ばの世界保健機関(WHO)総会で議題になるとの立場を示しており、中国はウイルス拡散を巡る「中国責任論」の高まりを警戒している。

 「何が起きたのか、独立した調査が必要だ」。オーストラリアのモリソン首相は4月23日の記者会見でこう強調した。

 独立した公衆衛生の検査官がパンデミック(世界的大流行)の関係地に行き、迅速に状況を把握する重要性を指摘。情報が得られれば「多くの生命を救える」と訴えた。


 在豪中国大使館の発表によると、成競業(せいきょうぎょう)大使は四月二十六日に豪紙の取材に、ウイルス発生源を巡る独立調査について「米国の政治屋が(感染拡大の)責任を押しつけるために主張している。豪政府は米国と結託して中国を攻撃している」と拒否する考えを示した。さらに「中国国民は豪州のやり方に強烈な不満と深い失望を感じている。同じ状況が続けば、なぜ豪州産のワインや牛肉を飲み食いするのかと疑問を持つだろう」と言及した。

 貿易関係を利用して他国に圧力をかけるのは中国の常とう手段といえる。豪メディアによると、成氏の発言を受け、豪外交貿易省幹部は同二十七日に成氏に電話で遺憾の意を伝えた。

 ところが、同大使館は「豪側が電話の内容を著しく歪曲(わいきょく)してリークした」と反発し、成氏と同省幹部との電話のやりとり全文を公表。「小ざかしい策を弄(ろう)するのは中国の伝統ではないが、やられれば受けて立つ」との声明を出し、両国の外交当局が「外交的な取り決めに違反した」と互いを非難し合う事態になった。

 中国政府は、中国の責任を追及する動きが国際社会で拡大することを警戒する。中国紙、環球時報の胡錫進(こしゃくしん)編集長は短文投稿サイト微博(ウェイボ)で「豪州は中国の靴にへばりついたガムのようだ。石を使ってこすり落とせ」と豪州への強硬姿勢を主張。二十九日付の同紙英語版は石炭の輸入にも影響が出る可能性を伝えた。

 豪州にとって中国は輸出の三割を占める最大の貿易相手国。一方、中国海軍の影響力拡大に神経をとがらせており、ここ数年は両国関係の悪化が続いている。
  
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発生源、原因を調べられたら困る事が中国にあると思わざるおえません…

なぜ、そこまで調べられる事を拒否するのか…

世界中で今日までに28万人の死者が出ているのです…
原因を調べなければ、終わりがきません…



欧州連合(EU)にも圧力をかける中国↓

欧州連合(EU)は、EU大使らが中国紙に寄稿した論説記事について、中国政府の検閲を受けて新型コロナウイルスが中国で発生したと言及した箇所を削除することに同意した。EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は7日、この判断を擁護した。


 27か国のEU大使が共同執筆した論説は、中国の政府系英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に掲載されたが、「中国で新型コロナウイルス発生」に言及した箇所は削除された。

 ボレル氏の報道官は、削除が中国外務省の要請で行われたと認めたが、それにもかかわらず大使らが紙面に掲載すると決定したことを擁護した。

 報道官によると、EU当局者は検閲要請に「非常に深刻な懸念」を示したという。

「EU代表団はそれにもかかわらず、EUの政策優先事項に関する非常に重要なメッセージを伝えることが重要であると考え、かなり不本意ながら論説の掲載を進める決定をした」と報道官は述べた。

 ボレル氏は記者団に対し、中国において外国の外交使節団は「中国当局が定めた条件と範囲内で活動」しなければならないと説明。また、「中国が現在、メディアに対する検閲と統制を行っている国であることは周知の事実だ」と述べた。

 論説記事は、EUと中国との外交関係樹立45周年を記念して発表され、両者の関係の緊密化を呼び掛ける内容だった。

 しかし、EUの虚偽情報対策の専門家によると、中国政府は武漢(Wuhan)を新型コロナウイルスの発生地と言及する箇所を削除するよう求めてきたという。

 EUが中国の検閲に屈する決断をしたことに、欧州政界の一部からは反発の声が上がっている。

 EUは2週間前、新型コロナウイルスの虚偽情報に関する報告書を取り下げるよう中国から圧力を受け、それに屈したといううわさの火消しに追われたばかり。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、EUが先週、中国政府からの圧力を受けて偽情報の動向に関する定期報告書の発表を延期した上、最終版では批判を弱めたと報じている。