新型コロナウイルスへの対応をめぐり、安倍総理大臣は、多数の死亡者が出ているイランのロウハニ大統領と電話で会談し、治療薬として効果が期待される「アビガン」を無償で供与するなど、国際機関を通じて、イランを支援していく考えを示しました。
安倍総理大臣は5日午後4時半ごろから、総理大臣官邸でイランのロウハニ大統領とおよそ30分間、電話で会談しました。

会談はイラン側からの申し出で行われ、安倍総理大臣は新型コロナウイルスの感染が拡大し、イラン国内で多数の死亡者が出ていることに哀悼の意を伝えました。そのうえで、安倍総理大臣は国際機関を通じて、治療薬として効果が期待される「アビガン」を無償で供与するほか、医療関連の技術協力や物資供与など、およそ25億円規模の支援を行う考えを示しました。

一方、安倍総理大臣はアメリカとイランの対立を念頭に「新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためにも地域の安定は不可欠であり、抑制的な対応を期待する」と述べ、地域の緊張緩和に向け、引き続き、粘り強い外交努力を継続していく考えを示しました。

政府は7日、新型コロナウイルスへの治療効果が期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の無償供与を始めた。フィリピンやマレーシア、ベルギーなど44か国への供与が決まっており、最終的に80か国以上となる可能性がある。

100万ドル(約1億1000万円)の緊急無償資金協力として、国連を通じて提供する。1か国につき原則20人分、最大100人分とする。提供先には症状改善に関するデータの提供を求め、新型コロナウイルスの治療法の開発に役立てる。



アビガンが投入されてから2ヶ月ほど経ちました

多くのお医者さん達は効果あると言っています

日本の本庶佑先生(ノーベル生物学・医学賞)も「急性期にアビガン、重症肺炎時にトシリズマブ(アクテムラ 日本製)を」と言っております。


5月7日
米製の
レムデシビルが国内初の新型コロナウイルスの治療薬として承認されました。

日本ではひとつの病院でしか使われていません…………


2020.05.05
2020年5月中にも新型コロナウイルスの治療薬として国内で使用可能となるレムデシビル(商品名ベクルリー)。(2020年5月7日に特例承認されました。2020年5月7日更新)アメリカではすでに重症患者への使用が認められているお薬です。


レムデシビルってどんな薬?副作用はある?
レムデシビルとはギリアド・サイエンシズというアメリカの製薬会社が作っているお薬で、点滴で使用するお薬です。レムデシビルは、この製薬会社がもともとはエボラ出血熱の治療のために開発を進めていた薬剤です。研究開発段階のお薬でしたのでまだどの国や地域でも承認されておらず、投与されたのは臨床研究としてコンゴ民主共和国のエボラ出血熱方のみとなっています。また、その際にも改善効果は見られなかったといわれています。

まだ臨床試験段階だったため起こりうる副作用や、その頻度は不明であるものの、臨床実験の段階では肝機能障害、下痢、皮疹、腎機能障害などの頻度が高く、重篤な副作用として多臓器不全、敗血症性ショック、急性腎障害、低血圧が報告されています。

新型コロナウイルスに効くの?
まだどの国でも承認されていなかったレムデシビルというお薬の名前が知られるようになったきっかけがあります。2020年2月頭に武漢の研究所から、人体ではなく培養した細胞での結果でしたが、レムデシビルが新型コロナウイルスの増殖を抑制したと医学雑誌に発表されたのです。レムデシビルには、ウイルスの複製に関するRNAポリメラーゼを阻害する効果があります。これによりウイルスの増殖を抑え、症状を改善する効果が期待されています。

日本ではこのレムデシビルより先にアビガンというお薬が新型コロナウイルス感染症に効果がある可能性が認識され、治験が行われてきました。しかし、アビガンの場合軽症者では高い割合で症状の改善が見られた一方で、重症者に対しての症状の改善は芳しくない状況でした。ところがレムデシビルの場合重症者に対しての症状改善やそれにかかる時間の短縮が期待されています。このことから、レムデシビルが期待され、急ピッチで国内承認に向けて検討が進められています。しかし、重症患者の症状改善やそれに要する時間を短くすることがあるとされる一方で死亡率については変化がなかったということもあり、特効薬として投与することは難しいという見解もあります。