インディアンの言葉
エドワード・S・カーティスは、」1896年から1930年に掛けて、北アメリカのほぼ全域を旅をしながら、消滅しつつあるインディアン民族の生活や思いを後世に残すべく、4万枚ものネガを残したのです。
消滅を辿る文明の証言者の一人として、写真家でもある彼は、全生涯を捧げたのです。私は彼に「ありがとう」と心から申し上げたくなるのです。
『インディアンの言葉』(紀伊國屋書店発行)――いつ、この小冊子を買ったのかさえ覚えていないのですが、いつも手に取り読むと涙が出て仕方がなくなるのです。
この小冊子を開くと、心を打たれるインディアンの顔と出会えます。
インディアン達が残した言葉と添えられた写真には、現在人が遠い昔に捨て去った心の在り様があふれていて、何とも言えず心に沁みるのです。
この小冊子は、北米インディアンの記録から出来ています。
初めに、「インディアン達は巨大なピラミッドも荘厳なカテドラムも建造しなかった。そのかわりに彼らは宇宙の中に、つまり彼らが尊敬し驚嘆し畏敬の気持ちを抱いている」と書かれているように、写真とインディアン達が残した言葉が胸を熱くさせ、涙が流れてしまいます。
ジョーン族の首長テクムセの言葉。
「朝起きたら太陽の光とお前の命とお前の力とに感謝することだ。
どうして感謝するのか、その理がわからないとしたら、それはお前自身の中に罪がとぐろを巻いている証拠だ」
このように書かれていて、顔の写真も載っています。
この小冊子の初版発行が1996年9月20日なので、今はないかもしれません。
「太陽が後何回頭の上を過ぎればわしらの種族はもう地上から姿を消しているだろう」
この文章も心が痛くなります。
↑↑
以上、松原照子の読書感想文でした。