鹿児島県屋久島町の口永良部島で火砕流を伴う噴火が発生したのは2018年12月18日以来、およそ1カ月ぶりです。17日午前、噴火の様子を上空から観察した鹿児島大学の火山学者・井村隆介准教授は、火砕流が尾根に当たって方向が変わったと指摘した上で、今後火砕流が警戒範囲を越えて集落に到達する可能性を指摘しました。

FNNのヘリコプターに搭乗した井村准教授は、火口から西側に流れた火砕流を確認し、特に北西側の火砕流について警戒が必要と話しました。

「工事用の重機があったところから数百メートルのところまで火砕流が来ているので、これまでより大きな火砕流が流れ下ったと考えられる」

「今回は(火砕流が)尾根に当たって方向を変えているが、尾根を越えると人家がある集落にまっすぐ流れることになるので注意が必要」

そして尾根を越える可能性について次のように話しました。

「火砕流が何回も流れると、木をなぎ倒したり谷を埋めたりして(火砕流にとっての)抵抗がなくなってくるので、同じ規模でもより遠くに火砕流が行く可能性が出てくる」

井村准教授はその上で、今後は火口から2キロの警戒範囲を越える火砕流もありうると指摘しています。