おはようございます!
肩こりがあまりに辛く、昨日朝からマッサージに行ってきましたが、やはり慢性的なものらしくなかなか解消されません。
みなさんは肩こりをどう解消されているのでしょうか?最近は身体を動かす機会もないので、運動がなかなかできず・・・
さて今回は
once, twice のような倍数・度数表現
についてお話しましょう。
前回、1と2という数字に関する表現は特別な形を持っている(特別扱いをされている)ということをお話しました。
それは once や twice という倍数表現・度数表現にも同じことが言えます。
通常、倍数や度数(回数)の表現では ~ times が語尾につきますが、one と two だけは once と twice の方がより好まれます。
一倍・一度: once / one time
二倍・二度: twice / two times
三倍・三度: three times / thrice
四倍・四度: four times
五倍・五度: five times
・・・・
十倍・十度: ten times
「一倍・一度」「二倍・二度」には once と twice という語がありますが、one time、two times という形もあるにはります。
ほとんどの場合、one time と two times よりも once と twice の方がより使われます。
あえて one time と two times が使われる場合もあります。
以下のように、one と two という数字を強調したい場合に one time と two times が使われます。
My wife has been to France four times, but I have been there just one time.
「妻は四度もフランスに行ったことがあるんだけど、僕といったらたった一度きりしかないんだ」
I have got full marks on the exam once, but she has two times.
「僕は一度その試験で満点をとったけど、彼女は二度も満点をとったんだ」
あまり知られていないのは、「三倍・三度」も、once と twice と同じく別形の thrice という形を持っているということです。
ただし、thrice はすでに死語化していて、使うと古臭い印象を与えます。
もはや thrice はほとんど使われず、代わりに three times が使われます。
(四倍・四度からは特別な形は存在しません)
では、once や twice、thrice という形はどこから来たものなのでしょう?
もともとは、once は現代英語で言う one's、twice は two's、thrice は three's という形(属格」と呼ばれる)から派生したものです。
特に once を例にあげて話しましょう。
古英語では、数字の「1」は an や aen と表記されていました (不定冠詞の an にも応用されています)。
その数字の1の語尾に -es をつけて属格と言う形を作るようになりました。
属格とは、今で言う所有格のようなもので、of ~ という意味です。
属格 ← (現代英語)
once ⇒ aenes ← (one's)
(-es は属格を表します)
この古英語の 「属格」 には、副詞的に使われる用法があったとされ、one's や two's、three's もその副詞的用法を持っていました。
このような副詞的属格によって、aenes (one's)という属格(所有格のようなもの)には、「一倍・一度」と言う副詞的な意味が付加されるようになったのです。
属格 ⇒ 副詞的な用法 (副詞的属格)
aenes (one's) ⇒ one time 「一倍、一度」
それから時は流れ、中英語のときには aenes は ones という形になっていきました。
古英語 ⇒ 中英語
aenes ⇒ ones
それでは、なぜ -es が 現代英語で言う once のような -ce という語尾になったのかというと、これは音声的な問題からでした。
属格を表す -es は「ス」と発音されますが、「ズ」 と発音しないように、「ス」 と発音するフランス語の語尾、-ce を借りて、
ones ⇒ once
という表記になったのです。
twice や thrice も同じような理由からこのような形をとりました。
このような古英語の属格の副詞的用法が、現代英語にも once や twice という形として残っているのです。
(他にもありますが、これに関してはまたどこかで)
最後の方は少し難しい語源のお話になってしまいました。
まあ頭の隅に入れておくぐらいで良いかと。