おはようございます!



今日は私の学校の卒業式でした。


私の教え子たちが巣立っていく日。


毎年この日は嬉しさと寂しさが入り混じって複雑な気持ちですね。


みんなの今後の活躍を祈るばかりです。




さて、今回は



仮定法② ~仮定法過去・仮定法過去完了~



についてお話しましょう。



前回、仮定法は直説法とは違い、



現実とは違うこと、現実にはありえないと話し手が判断していること



を表すという話をしました。




そのため、現実のことを表す直説法とは違う動詞の形が選ばれます。



1.仮定法過去 「もし~なら、・・・だろう」 (現在の事実に反する仮定)


If + S + 過去形, S + 助動詞の過去形 + 動詞の原形  < S は主語 >


(if節と主節の順は反対でも構いません)



助動詞の過去形は、下のように使い分けることによってニュアンスを変えることができます。


would 「・・・だろう」 (表す時は現在)


could 「・・・できるだろう」 (表す時は現在)


might 「・・・かもしれないだろう」 (表す時は現在)


※ 主語が I の場合、would の代わりに should を使うこともできます。



助動詞の後に続くのは動詞の原形です。



If I knew her phone number, I would call her every night.


「もし僕が彼女の電話番号を知っていれば、毎晩彼女に電話するのになあ」


⇒ 「僕は彼女の電話番号を知らないため、電話できない」のが現実。

 そのため、「もしも知っていると仮定すれば」という仮定法を使わなくてはなりません。

 if節の動詞は過去形の knew、主節の助動詞は過去形の would になっていますが、「現在の仮定」です。



If she got a phone call from you, she might ignore it.


「もし君から電話があれば、彼女はそれを無視するかもしれないね」


⇒ 「彼女が君からの電話を実際にもらっていないので、(現時点で)それを無視していない」のが現実。

 そのため、「もしも電話があれば」という仮定法を使わなくてはなりません。

 if節内の動詞は過去形の got、主節の助動詞は 過去形の might になっていますが、「現在の仮定」です。

 



If I were you, I would give her up.


「もし僕が君なら、彼女をあきらめるだろうね」


⇒ 「僕は君ではない」のは明らかな現実。

 そのため、「もしも僕が君なら」という仮定法を使わなければなりません。

 if節内の動詞は be動詞の過去形である were、主節の助動詞は過去形の would になっていますが、「現在の仮定」です。


 ここで注意してほしいのは、be動詞の過去形が were になっていることです。


 主語が I だと、通常直説法では was になりますよね。


 しかし仮定法過去では、be動詞の過去形は主語が何であろうと、were に統一されます。


 つまり、主語が I だろうと you だろうと he だろうと Mike だろうと we だろうと they だろうと、be動詞の過去形は were が選択されるのです。



If he were rich, he would buy an island.


「もし彼がお金持ちなら、彼は島を買うだろう」



If Mary were doing homework now, she wouldn't answer your phone call.


「もしメアリーが今宿題をしているなら、彼女は君の電話を取らないだろうね」



(ただし、口語では was もちょくちょく使われます)





2.仮定法過去完了 「もし~だったなら、・・・だっただろう」 (過去の事実に反する仮定)


If + S + had + 過去分詞形, S + 助動詞の過去形 + have + 過去分詞形  < S は主語 >


(if節と主節の順は反対でも構いません)



助動詞の過去形は、下のように使い分けることによってニュアンスを変えることができます。


would have 「・・・だっただろう」 (表す時は過去)


could have 「・・・できただろう」 (表す時は過去)

might have 「・・・だったかもしれないだろう」 (表す時は過去)



助動詞の後は、have + 動詞の過去分詞形が続きます。



If I had had a lot of money, I could have married her.


「もし僕に(あのとき)たくさんお金があったなら、彼女と結婚できただろうに」


⇒ 「(あのとき)僕にお金がたくさんなかったため、彼女と結婚できなかった」というのが過去の現実。

 そのため、「もしもお金があったなら」という仮定法を使わなくてはなりません。

 if節内では had が二つ続いていて一見変な文にも見えますが、この二つの had はそれぞれ違う had です。


   過去完了形のhad + 動詞haveの過去分詞形のhad

 

 また、主節は could have married という形になっています。

 助動詞の過去形の後に完了形の have を用いることで、表す時制を過去にすることができます。




If she had known that you wanted to marry her, she would not have talked to you any more.


「もし(あのとき)君が彼女と結婚したがっていると彼女が知っていたら、彼女がそれ以上君と話すようなことはしなかっただろう」


⇒ 「彼女は知らなかった」のが過去の現実。

 そのため、「もしも知っていたら」という仮定法を使わなければなりません。

 if節内では過去完了形である had + knowの過去分詞形があり、主節では助動詞の過去形に have + 過去分詞形が続き、過去の事実に反する仮定をしていることがわかります。


 また、「~ではなかっただろう」というように否定をしたい場合は、助動詞の直後に否定語をおきます。


 would not have ~




ここで、一度仮定法過去と仮定法過去完了の時制をおさらいしてみることにしましょう。



新里式 英語超学習法

上の図を見てみるとわかるように、仮定法は直説法とは違い、



動詞の形と表す時とに、ズレがある



というのが重要です。



現在の事実に反する仮定をするなら、過去形


過去の事実に反する仮定をするなら、過去完了形



というように、動詞の形は一つ昔の形を使ってあげることで、仮定の意味を表すことができるのです。






3. 仮定法過去完了 + 仮定法過去 「もし~だったなら、・・・だろう」


If + S + had + 過去分詞形, S + 助動詞の過去形 + 動詞の過去形  < S は主語 >


(if節と主節の順は反対でも構いません)



これは、2の仮定法過去完了と、1の仮定法過去とを合わせたような形になります。


if節の時制と、主節の時制の間にズレがあります。


「もしあのとき~だったら、今~だろう」


という具合に。



If I had approached her a little earlier, she would be my girlfriend now.


「もし彼女にもう少し早くアプローチしていたら、彼女は僕のガールフレンドになっているだろう



Everybody would dislike you if you had called her then.


「もし君があのとき彼女に電話していたら、君はみんなに嫌われているところだろう」




いかがでしたか?


仮定法はとにかく時制の捉え方が大事です。



次回は


仮定法③ ~ 仮定法を使った様々な表現 ~


です!