現在、お彼岸や秋季永代経に向けて、境内や伝道掲示

板前後、寺標前後、石垣と地面の隙間などの除草作業

を行っています。中庭奥も、書院の渡り廊下から眺めると、

またあちらこちらで雑草が生えてきているのが見えるの

で、除草作業が必要です。

また、サツキなどの植え込みの中から別の植物のツルが

飛び出てきたり、巻き付いたりしており、それらを切り取る

のもなかなか大変です。

 

夏から秋にかけての雑草は、よく繁殖するものは抜きに

くく、特に苔の上に生えているものは、苔を一緒にむしり

取らないよう手で押さえながら抜かねばならず少し手間

がかかります。中庭奥は緑色の苔が美しい箇所があるので、

そこは守りたいと思っています。

 

この時期の雑草で特にやっかいなのは「コニシキソウ」で

す。北アメリカ原産の一年草の帰化植物で、地面を這う

ようにして広がり、茎から根を出します。

コニシキソウは境内に敷いた砕石の間、石垣と地面の間

などから生え、目立たない色と、上に伸びず横に広がって

いくため、うっかりしているとあっという間に繁殖します。

 

コニシキソウの繁殖力は「蟻」と関係しています。

受粉を助けた蟻が、生える範囲を拡大させているのです。

蟻は蜜を集めるとき体に花粉をつけ、他のコニシキソウの

花に花粉を運んで受粉しやすくします。蟻が収穫した種子

を巣に持ち帰って貯蔵する際、巣に着くまでの間に落とし

た種子がそこでまた新たに発芽し、どんどん繁殖してい

きます。

 

蟻が種子を落とさず巣まで運んでくれることを願いつつ、

これからも境内や中庭など常に美しい状態を保てるよう、

除草作業を行っていきます。

 

この時期最も繁殖するコニシキソウ。