梅雨入りし、境内や中庭の草がまた一気に伸び始めました。

この間きれいにした場所にも新しい草が生えています。

 

紫陽花やオオバギボウシ、モッコクなど、この季節ならで

はの花々を眺めていても、その周辺に生える除草が気にな

り、つい下ばかり見てしまいます。

 

生えている草の中でも厄介なのはムラサキカタバミです。

 

ひょろひょろとした茎にかわいいクローバーのような葉、

可憐なピンク色の花が咲きますが、その繁殖力は驚異的で

す。

 

ムラサキカタバミは直径2ミリほどの小さな球根をたくさ

んつけ、場合によってはこれらの根が生長し、小さな大根

のようになります。

 

根に形成される木子(きご)を媒介してどんどんと繁殖しま

す。除草の際には根をしっかりと取り除かねばならないた

め、根こそぎ取るには地面を除草鎌で深めに掘らないとい

けません。

 

しかも、根っこに付いている木子を取りこぼすと、そのこ

ぼれた木子から新しい芽が出始めるため大変厄介です。

 

今日は所用で午後から外出し、帰宅すると坊守が一人で境

内の除草作業をしてくれていました。本堂正面の砕石を敷

いた場所がきれいになりました。

 

「雑草ってほんとうに強いね」と夕食の後片付けの後、2

人で話しなから、ムラサキカタバミのことを思いました。

 

取っても取ってもこぼれ落ちた木子からまた新しい芽を出

す生命力の強さに、何度失敗しても落ち込んでも、再び立

ち上がる人間の姿を重ねます。そうでありたいと思います。

 

ムラサキカタバミ

「里山の自然観察ホームページより」