夕方、本堂正面の唐戸を閉めるため北側の出入口を出ると

奥庭の方から風に乗って甘い香りが漂ってきました。

 

浜縁から奥庭を見ると、クチナシの花と入れ替わるように、

奥庭のモッコクの木が満開で小さな白い花が咲いていまし

た。

 

モッコクは、江戸五木(江戸時代に江戸で重視された五種

の造園木:モッコク、アカマツ、イトヒバ、カヤ、イヌマ

キ)とされ,また,三大庭木(昔から日本の庭で親しまれ

ている三種の常緑樹:モッコク・モチノキ・モクセイ)と

して親しまれる樹木で、寺社に植えられることも多いです。

 

花の香りがラン科の石斛(セッコク)に似た木という意味

で、江戸初期に「木斛(モッコク)」と命名されました。

 

花言葉は「人情家」。人間関係や情愛を「持つ(モツ)濃

く(コク)」と古くから言われています。

 

眞養寺はこれまで真宗の教えを通してご門徒、有縁、地域

の皆様との繋がりを大切にし,支えられてきました。

 

モッコクの花の香りに結ばれた仏縁をご門徒・有縁・地域

の皆様に感謝し、これからも「教え」を相続し,皆様の思

いにお応えできるよう、日々精進する思いを想起します。

 

奥庭のモッコクの木。

 

モッコクの花。甘い香りは庫裏の玄関付近や境内まで広が

ります。秋には真っ赤な実をつけます。