能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市内で、20
11年の東日本大震災や、2016年の熊本地震で被災した真宗
大谷派の僧侶たちが、5日から7日の3日間、炊き出しを実
施しました。
「久しぶりにできたての食べ物を食べ、身も心も温まった」
と、避難所の人たちから次々と感謝の言葉がありました。
炊き出しをしたのは、福島県や熊本県の寺の住職、副住職、
総勢8人。市内各所の避難所を巡回し、豚汁やカレーライス、
ギョーザなどを提供し、被災者が風呂に入れるよう、小規
模な簡易銭湯の提供もしました。
炊き出しを行ったうちの一人、福島県の真宗大谷派「真行
寺」住職の佐々木さんは、輪島市内で被災し、今回の地震
で全国から来る炊き出し支援者の調整にあたって
います。
同じく真宗大谷派「浄明寺」の崖さんを支援しようと、元
日の地震直後からすぐに仲間に声をかけ、即席の支援部隊
を結成、5日の夜に到着し、炊き出しを始めました。
佐々木さんは東日本大震災で寺の本堂などが被災。2011
年5月頃、宮城県石巻市などの沿岸部で炊き出しを始めた
時、駆け付けてくれた能登半島の寺仲間の人たちの顔が浮
かび、即座に行動を起こしました。
佐々木さんは熊本地震では計10回ほど現地に炊き出しの支
援に入り、その時に知り合った仲間の僧侶たちも今回輪島
に集まりました。
2011年に能登の仲間から預かった、400人分の豚汁が作れ
る「ずんどう」も持ち込み、「こういうときこそ、いただ
いた恩を返さなければ。今後とも支援を続けていきたい」
と話しています。
(中日新聞2024年1月7日 参考)
豚汁を振る舞う様子。(写真:中日新聞Webより)