算数とお経(数の単位)

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最近子どもが読んでいた、算数漫画の本の中で偶然知ったこと

です。

後住が小学校の頃,兄弟で愛読していた本がずっと大切に保管

されていました。約30年の時を越えて、現在は子どもたちが愛

読しています。表紙の絵に懐かしさを感じます。

 

江戸時代、吉田光由(みつよし)が書いた「塵劫記(じんごうき)」

という算術書の中には、数の単位がたくさん書かれています。

数の単位といえば、一、十、百、千、万、憶、兆、京(けい)くらい

までは、一般的に知られていると思います。

実は、京の後になんと13もの数の単位がありました。さらに驚

いたことには、後半の方の単位が仏教用語だったということです。

(青色の線が引いてある部分)

 

~もとは仏教用語だった数字の単位~

恒河沙(ごうがしゃ)

「恒河」はガンジス川を意味するサンスクリット語、 गङ्ग(ガンガ)

を音訳したものです。「恒河沙」とはガンジス川にある無数の砂

の意味であり、もともと無限の数量の例えとして仏典で用いられ

ていました。一般的には1052を指しますが、1056とする人もいま

す。(大昔の人も河原で美しい石を数えながら拾ったのですね)

 

阿僧祇(あそうぎ)

阿僧祇はサンスクリット語の「असंख्येय」を音訳した「数えることが

できない」という意味です。意訳では「無数」となります。仏典では、

成仏するまでに必要な時間の長さである「三阿僧祇劫」という形

で用いられることが多いです。一般的に1056を指しますが、1064

とする人もいます。(「三」は前世・現世・来世かな。長い時間です)

 

那由他(なゆた)

那由他はサンスクリット語の「ナユタ」を音訳した「極めて大きな数

量」の意味です。一般的には1060を指しますが、1072とする人もい

ます。(仏説無量寿経に 「萬二千那由他人」がある。数え切れな

いむちゃくちゃ多い人のこと

 

不可思議(ふかしぎ)

語源は名のとおり、思ったり、議論したりすることが不可なほど大

きい数字、という関係から名づけられました。一般的には 1064 を

指すと考えられていますが、1080 とする人もいます。

(南無不可思議光・果てしない光の仏様に手を合わせること)

 

無量大数(むりょうたいすう)

元(げん)の朱世傑(しゅせいけつ)による『算学啓蒙』において、

「極(ごく)」以上の他の単位とともに初めて登場した「無量数」に

由来します。日本では『塵劫記』の寛永8年の版で無量大数とし

て初めて登場します。

一般的には1068を指しますが、1088とする人もいます。

(後住の兄弟が最も好きな言葉のひとつでした。)

(以上 Wikipedia 参照)

 

これらは「浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)」、「正

信偈」の中にも書かれています。