午前中、欄間職人が本堂正面中央出入口の上に設置する寺号

額を搬入しました。寺号は文字は書家に欄間職人が依頼し書道

範の方が筆を執り、職人が彫りました。

字体がPCなどの文字と違い生きています。欄間職人が出来栄

えを喜んでくれました。

 

木材は欅で、厚みは7cmです。高価な欅の一枚板です。

(赤色の矢印で指しているところ)

 

木目もとても細かいです。木材がよく乾いています。

 

寺号額を縁まで運ぶ前に、額を掛ける杭を設置位置に取り付け

ました。その後、虹梁の上に木材を一枚渡して滑車を付け、虎

ロープを掛けます。

 

いろいよ寺号額を縁まで運び入れます。重さは約70kgです。

 

寺号額の後ろに、掛けるための金具を取り付けます。

 

寺号額に巻いたベルトと、滑車に通したロープが外れないように

固定します。

 

ロープを引っ張り寺号額を上に引き上げます。重くてなかなか上

にあがりません。寺族も一緒に引っ張ります。

 

全員で力いっぱい引っ張っても、脚立より上に上がらないため、

隣の虹梁にロープを渡し,再度,持ち上げました。

 

今度は寺号額設置位置まで上がりました。

 

設置完了です。寺号額は後で杭に掛けているだけでなく、ワイヤ

ーでも留めてあります。寺号額は右から左に読みます。子どもが

「じようしん」と読み,先の大戦までは,「右から読んでいた」と説明。

 

本堂正面の階段の設置は2日目です。石原氏と大工職人の2人

での作業です。

ささら桁がずれないように、それぞれ隣にアンカーボルトを設置

しました。

 

このようになっています。

 

蹴込み板の長さを調整する石原氏。

 

今日は下から一段目の段板まで設置しました。

 

作業は午後5時半過ぎまで続きました。辺りは真っ暗ですが、今

日設置した寺号額は灯に照らされ、はっきりと見えます。

 

午後、桑名の伊藤たたみ店の畳職人が登高座の畳を持ってきま

した。

登高座の畳のへりにも星梅鉢が織り込まれています。寺紋が途

中で切れず、きれいに3段並ぶように、畳の厚さが以前より少し

だけ高くなりました。

 

畳のへりの耳の部分を、内側に折り返して縫った短めの帯状の

ものを何本も作り、それを縦に並べて縫います。よく見ると、縦

に縫い目があります。

 

角の部分の星梅鉢も紋がきれいに出るように作られています。

職人の仕事に対するきめ細やかな心遣いを感じました。

 

報恩講に向けて、本堂内外ともに着々と準備は進んでいます。

22日と23日の報恩講にぜひご参詣をください。