またまた、続きです。
前々回の記事は⇒遠心ブレーキとマグネットブレーキ(`・ω・´)b
前回の記事は⇒続!遠心ブレーキとマグネットブレーキ
さて、まずは前回までのおさらいから
『遠心ブレーキのブレーキ力はスプールの回転速度の2乗に比例する』
『マグネットブレーキのブレーキ力はスプールの回転速度に比例する』
とこのような結論に至りました。
遠心ブレーキはスプールの回転速度の低下にも2乗で比例するため、キャスト後半に伸びがあるように感じ、一方でマグネットブレーキはスプールの回転速度の低下にも比例するため、キャスト後半に強くブレーキが掛かっているかのような失速感を感じてしまうのです。
(ただし、これはどちらかのブレーキしか使ったことない方には分かりにくい違いかと思います。実際に小・中・高校とマグネットブレーキしか使っておらず周りのアングラーよりも飛ばしていたため、いまいちピンと来ていないときもありました。)
ここからが今日の本題!!
この結論をリールチューニングのベースにすることで見えてくることが多々あります。
リールチューニングの代表格といえば・・・
『スプールベアリングの交換』ですね!!(代表格なのはまちがいない。というかこれじゃないと上の結論が使えないのでw)
スプールベアリングを交換した人達から、よく聞く効果として
『飛距離が出るようになった』・『ルアーの飛行姿勢が安定するようになった』・『バックラッシュ等のトラブルが減った』等々があります。
飛距離や飛行姿勢に関しては、よく回るベアリングに交換したのだからラインの放出が安定・向上したことによるものだと容易に想像できるかと思います。
少し頭をひねってしまうのは『バックラッシュ等のトラブルが減った』ではないかと思います。
普通に考えると、よく回るようになるんだからトラブル増えるだろっ!!となります。
しかも、現在販売されているロープロファイルリールはボディーフレームに対してスプール口径が大きくなっているため、ほんの少しの糸フケであってもボディーに干渉することでトラブルの原因になることが良くあります。
しかしこれも上記の結論に当てはめてしまえば、すんなりと納得できるできるようになります。
精度の良いベアリングに交換すると、当然スプールは良く回るようになりますね?
そうすると・・・
『遠心ブレーキのブレーキ力はスプールの回転速度の2乗に比例する』
『マグネットブレーキのブレーキ力はスプールの回転速度に比例する』のだから・・・
スプールの回転速度がUPすることでブレーキシステムが『遠心』であろうが『マグネット』であろうが、その回転速度に応じてブレーキ力も向上していることになります。
そうするとブレーキ力が強くなった結果、スプールの過剰すぎる回転を抑制するためトラブルの軽減に繋がることになります。
ただし、ブレーキ力が向上することでチューニング前のリールより飛ばなくなるということは、ライン放出性の向上・ベアリングの回転性向上などとの相乗効果によってほとんどありません。
もし飛距離が落ちる、ないしはあまり変わらないなんてことがあれば、まずはベアリングの回転やメカニカルブレーキの締めこみ具合・ブレーキのセッティング等をチェックしてみてください。
特にベアリングについては、特許技術による特殊加工と長時間に及ぶ丁寧な洗浄をしている『ハイパーBB』は別にして、単純に工業用ベアリングを選別して洗っただけのベアリングでは純正とほぼ同等品の場合だってありえますから注意が必要です。
さてさて、最後は少し宣伝ぽくなってしまいましたがご愛敬ということで(笑)
遠心ブレーキやマグネットブレーキとスプールベアリングの交換との関連性とメリットがほんの少しでも理解していただけたのなら幸いです。
ホントは、遠心とマグネットのハイブリッドブレーキであるダイワのマグフォースやABUのインフィニブレーキについても触れたいところですが、タトゥーラHDが手元に届いたら・・・にしておこうと思います。
なので、次はあのややこしい計算式から考える『遠心ブレーキとマグネットブレーキに強弱をつけるには?』にしておきたいと思います。
続く。