たぶん音楽は時間を現しているんだと思う。

一音一音、絶対に無くてはならない音が積み重なって音楽になる。
一音一音、全てが掛けがえのない音。
一人一人の人生のように、一音が貴重だ。

それをたった一回きりの本番で生かさなくてはならない。
僕はそこから時間の過ぎていく重要さを見出す。
本番は、一度きりしかない人生を、最期まで疑似体験させてくれる。

今日も時間は一秒一秒音を立てて過ぎていく。
僕はそのことを、とても無視して生きてはいられない。

単純に悲しい。
そして愛おしい。
仄かに恐い。