ある少年と老人が、
メキシコから
アメリカ
ロバと共にやってきた。

少年がロバを引き、
老人はその横を歩いていた。

最初、少年がロバを引いていると、
道を歩いていたおばさんが叫んだ。
「まあ、あんな小さい少年がロバを引いていてかわいそう!」


そう言われて、少年はロバに乗り、
老人は横を歩き、
また先に進んでいった。

すると次は、道沿いに立つ家の窓から
おじさんんが叫んだ。

「あの少年は、自分ばっかりロバに乗って、
 なんで老人をロバに乗せないんだ!」
 

そして、少年はロバから降り、
老人をロバに乗せた。

次は、道で
洗濯 をしているお姉さんに言われる。

「ああ、人を乗せて歩いて、ロバがつかれきっているわ。
 かわいそうに!」
 

老人は当然、ロバから降りる。

次に、家を作る大工さんがこう言う。

「ロバが人間を乗せないで歩いているなんて!なんて怠惰なロバだ!」

最後は、老人も少年もロバにまたがって、先に進んでいった。




つまり、
みな、それぞれ違う見方をして、
みな、それぞれ好きなことを言う、ということ。
すべての人を満足させ、幸せにさせるのは難しい。

だから、少なくとも、自分自身の満足と幸せには責任を持とう。


みんな違うんだから、
万人にウケようなんて思わなくていいよという話。