今日はこんなお話です。
切ないけど、なんだか胸に響きました。
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十数年前の、高校時代から付き合っていた彼女との話です。彼女は家庭の事情で二十歳の頃から一日でも早く私と結婚して独立したいと言いつづけていました。
もちろん当時、私は大学生で就職してから結婚しようといいながら過ごしていました。でも、いざ結婚すると当然のようにもっと経験をつんでから、一人前になってからと、私は結婚への決断をできずにいました。
それから数年、互いの気持ちにすれ違いを感じ始めて、会う感覚が少しずつ開いてきて、三ヶ月ほど経ったある日、友人から彼女が結婚したことを聞きました。
そのときは、長く付き合っていた彼女の気持ちにこたえられなかった悲しい思いの私と、結局、結婚に踏み切れずにいて、結論を出さなくてすんでほっとした思いの二人の私がいました。
それから約1ヵ月後、彼女から会ってくれとの電話がありました。日時を決め、彼女から会うときにはあのおそろいのシャツを着てくれとたのまれ、複雑な気持ちのまま会いました。
待ち合わせ場所には互いの車で来て、私の車でデートをしましたが彼女は、こちらが拍子抜けするくらい明るくて、以前の仲が良かった頃のように振舞っていました。
よく行っていたデートコースを回り、夕方もう帰ろうと互いの車に別れ、車を出すと、ずっと彼女が後ろからついてくるのです。車を止めて、中をのぞくと彼女は泣いてハンドルにしがみついていました。
私の顔を見ると更に泣き続け、泣きながらいつも行っていたあのホテルに連れて行ってといわれ、出会ってから8年目、最後に彼女を抱きました。
その後、彼女とは一度も会っていませんが、いつまでも心の奥にしまっている大切な思い出です。
ー忘れられないラブより抜粋ー