今日はこんなお話を紹介します。
**********
ー何よりの勇気のあかしとなるのは、
敗北しても落胆しないことであるー
ロバート・グリーン・インガソル
昨夜は、8歳の息子が所属するサッカーチームの最後の試合だった。
ゲームの終盤、息子のチームが二対一でリードしていた。
親たちがフィールドを取り囲み、盛んに声援を送る。
残り時間が10秒を霧、ボールは息子のチームメイト、
マイキーの前に転がった。
「キックだ!」
フィールドに響き渡る叫び声に、
マイキーはぐっと足を引き、渾身の力をこめて蹴った。
観衆は総立ちになった。マイキー選手得点!
そのとき、あたりはしんと静まった。
マイキーは見事に点を入れたが、
蹴りこんだのは味方のチームのゴールだったのだ。
試合は同点となって終わった。
しばらくのあいだ物音一つしなかた。
じつはマイキーはダウン症で、
彼にとっては間違ったゴールというものは存在しない。
どんなゴールであろうと、決めた選手はマイキーから喜びの抱擁をもって祝福される。彼は、相手チームが得点したときも、その選手を抱きしめてしまうくらいだった。
やがて沈黙が破られた。
マイキーが満面に喜びを浮かべて、
私の息子をつかまえ、
ぎゅっと抱きしめて叫んだのだ。
「点が入った!ぼくが入れたんだ!やったやった。みんな勝った!みんな勝った!」
私は息子がどう反応するかと息を詰めた。
でも心配する必要はなかった。
私は涙の奥からから見つめていた、
片手を高くかかげて、繰り返し賛美の声をあげる息子を。
「いいぞ、マイキー!すごいぞ、マイキー!」
ほどなく、両チームの全員が
マイキーを取り巻いて一緒に叫び、
マイキーのゴールを祝福した。
その夜遅く、娘にどっちが勝ったのかと聞かれたとき、
私は微笑んでこう答えた。
「同点だったのよ。みんな勝ったの」
-「だれもが奇跡に巡り会う」より-