スマホを買いに 空心齋閑話1108 | 宇則齋志林

宇則齋志林

トリの優雅な日常

おはようございます。

今を時めく、IT関連ベンチャー起業家のトリです(デジタルには、とことん弱いです)。

 

先日、スマホを新調した。

これまで使っていたボロスマホが、いよいよぶっ壊れかけてきたので、本当に壊れてしまわないうちにと、買いに出かけたのである。

 

こういうものに詳しい知人に相談すると、電話会社を乗り換えして、「一括○円」とか「実質○円」とかで、比較的新しい製品が手に入るキャンペーンを使えばよい、と教えられた。

これまでは、そういうキャンペーンは常時行われていたが、彼岸田(ひがんだ)首相(仮名)が電話会社を目の敵にして、悪平等を押し付け、来年から「1円スマホ」を売れなくしてしまったという。

だから、今のうちに1円スマホを手に入れようと、意気込んで家電量販店のヨドヤバシカメラに出かけたのである。

 

ところが、見たところ「1円スマホ」は存在せず、結局これまで加入していたHardbank(仮名)系列のγモバイル(仮名)から、毛出出合(仮名)系列の悠久モバイル(仮名)に鞍替えすることにした。

そのとき、いずれかの機種を一括購入すれば、ヨドヤバシのポイントをくれるというので、幾分かは安く買えたことになる。

 

これまでスマホは使えればいいという気分で、特に銘柄など選ばなかったが、今回は件の知人の勧めもあり、これまで使っていたチープ社(仮名)のマンドロイド(仮名)から、ニップルコンピュータ社(仮名)のYphone(仮名)に替えることにした。

うそかまことか、日本人の大半がYphoneを使っており、本家のアメリカよりも使用者が多いというので、「日本人には適している」らしい。

 

ところが、ここで問題が起った。

以前、メガネを買いに行った際、同時に「人をダメにする」ビーズソファーを買ってしまったが、今回も、同じような事態が起ったのである。

パソコンが浮上してきたのだ。

 

これまで10年以上使ってきた愛用のゲッツノート(仮名)が、かなりくたびれて来て、処理速度が遅くなり、さらに入っているOSがウインドウズの8であることから、サポートを打ち切られ、使い勝手が悪くなってきたのである。

そこで、この際だからと、同時に買い替えることにした。

入ってきたポイントをそのまま充当して、パソコンを少し安く買い、さらにそのポイントを利用して、スマホのケースや充電器を購入しようという、完璧な計画を立てた。

 

しかし、好事魔多しというか。

行ってみると、悠久モバイルで事前に予約していた担当者が突如辞めてしまい、代わりに接客してくれたのが、ハンさん(仮名)という中国人の若いおねえちゃんであった。

別に店員がどこの国の人でもいいのだが、スマホの乗り換え契約のようなややこしい会話の場合、質問したいことが山ほどあり、それを察知してきめ細かにケアしてほしいところである。

それが、外国人が外国語での案内となると、上手く会話が進まない。

 

ハンさんはむろん、こういう店で働いているので、日本語はペラペラであった。

しかし、母語ではない言語で話しているので、「非言語通信」(つまりテレパシー)のスイッチが切られていて、言葉以上の会話ができない。

これは非常に困るのである。

メガネを買いに行ったときに接客してくれた中国人の若い兄ちゃんも同じだったが、言外のニュアンスというものが全くなくて、胃の辺りがむずむずして来る。

 

実際、会話において言語が機能するのは全体の半分以下であり、あとは身振りとか非言語領域の会話によって対話が成立する。

外国語で話していると、ことばだけに集中して、非言語領域のスイッチが切れるのである。

 

これは、例えば大阪のおばちゃんが海外旅行に行き、ほぼ日本語だけで用を足している事実からもうかがえることである。

店員に「これなんぼや?まからへんのんか?」と詰め寄ると、その迫力と非言語通信によって、通じてしまうのである。

 

または、こういうシチュエーションもある。

一人が「あー、その松本人志というたら、ほれあの・・・」と言い淀んでも、聞き手が察して「そう、明石家さんまやろ」と補足し、「そーそーそー」となる、あの感じが非言語通信である。

 

こういう会話が、外国人相手だと、まずできない。

そういう訳で、「すみません、日本語ネイティブの方と代ってもらえませんか」と言いたいのをぐっとこらえ、なんとか言語の範囲内だけで契約条項を理解しようと努めた。

ただでさえ苦手分野だから、全神経を言語だけに集中する必要があったが、どうにかなった(と思う)。

 

そして、その後パソコンを買いに行き、クレジットカードの限度額を超えていたので「一時引き上げ」の手続きをするなど、まあさまざまなアクシデントに見舞われながら、どうにかこうにかミッションを完遂出来た次第である。

非常に疲れました。

 

ともあれ、それでボロ雑巾のようになって帰宅したのだが、帰りついてから気がついた。

充電器を買い忘れていた。

※かつてのボロスマホとヨギボーでくつろぐ。