胡散臭いことば 空心齋閑話0308 | 宇則齋志林

宇則齋志林

トリの優雅な日常

おはようございます。

政府の有識者会議に出席を求められた、学識経験者のトリです(無論、参加は断りました)。

 

ある日テレビを見ていたら、ヨトタ自動車(仮名)の「ヨトタイムズ」(仮名)というコマーシャルをやっていた。

そういえば、あのコマーシャルには編集長として、俳優の徳島照焼(仮名)が出ていたはずだが。

と思ったら、徳島は、以前銀座かどこかのバーで、ホステスに暴行を加えたと騒がれ、袋叩きの上、業界を干されていたのである。

 

これもいささか旧聞に属するが、首相の秘書官である粗井氏(仮名)が、今流行のLGBTQを嫌悪する発言をし、袋叩きの上、更迭された。

まるで市中引き回しの上、打ち首、獄門だ。

同性婚だとかに反対すると、袋叩きに遭うことがよく分かった。

 

今、世の中挙って「多様性(ダイバーシティ)」だの「生物多様性」だのと言い始めている。

あたかも、今はじめて、その多様性なるものが発見されたかのような印象だ。

どうもうさん臭くて仕方がない。

 

犬や猫やハリネズミはかわいがるが、ゴキブリの生存は許さない、という人は多いだろう。

会社や組織の中で「それ、セクハラですよ」と言われ、ゴキブリ扱いされる男は多いだろう。

というか、若い女性目線で「キモい」か「キモくない」かでいうと、たいていのおっさんは「キモい」に分類されるだろう。

 

「多様性」を考えると、例えば多様性を否定するかのような、粗井氏(仮名)のような発言をも許容すべきなのか、という話になってくる。

もしくは「多様性」や「言論の自由」の中から、粗井氏だけを排除することができるのだろうか。

「男はみんなバカだ。オレ以外は」と言うようなもので、誰も信用しないだろう(「女はみんなバカだ。君以外は」という男はモテる可能性があるが、男からの信頼はゼロだ)。

 

世の中には、おかしな言葉が多いのも事実である。

SDGsも、人為的地球温暖化仮説に依拠するCO²削減も、フェイクニュースも、どこか胡散臭い。

「フェイクニュース」の何がおかしいかと言えば、「フェイク」でない(つまりバイアスのかかっていない)ニュースを探す方が難しいからだ。

 

予想だにしていないかもしれないが、「動物園でパンダの赤ちゃんが生まれました」というニュースに目じりを下げているうちに、そこに含まれるメタメッセージを無批判に受け入れてしまい、増税や戦争に邁進してしまう可能性だってある。

だから、世の中で流行している価値観には、十分気を付ける必要がある。

「多様性」それ自体に問題はないが、それを言い募り、それに反するものを排除しようとする動きが出始めていることに、違和感を覚えなくなっていることが恐ろしいのである。

 

徳島照焼(仮名)にしても、ほめられた話ではないが、私生活上の素行と、演技力は本来別物で、刑事告訴されて服役したならともかく、まだ塀の中にも入っていないのに、業界を干されるとは気の毒である。

そういえば、変体行為が週刊誌にばれて失脚した、お笑い芸人の綿部犬(仮名)という男もいた。

 

まあ正直な話、こういう傲り昂った有名人たちが、一夜にして没落する様を見るのは、痛快である。

ざまをみろ、といって溜飲を下げるのだ。

しかし、かれらを増長させたのもまた、我々自身ではないのか。

 

上げておいて、上がり切ったところで一気に下げるというのは、あまりほめられた行為ではない。

みんな、自分の言っていることや、やっていることのうさん臭さに、気づいているのだろうか。

もし、気づいていないとしたら、それはこういう事態と同じだと思った方が良い。

 

「自分の鼻の頭に糞を付けて、『屁もとはどこじゃ?』と騒いでいるようなもの」(by澤木興道)

※体制に媚びるな、このヤロー!