日本最古のおやつ | 宇則齋志林

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トリの優雅な日常

奈良時代の遣唐使が伝えたというお菓子がある。歓喜団、というすごい名前がついている。略して、お団。一見縄文土器のような形だがさにあらず、ありがたい八葉の蓮華を表現し、金袋になぞらえた形にして、油で揚げてある。かつては栗柿杏などを甘草などの薬草で味付けした餡が用いられていたそうだが、徳川時代に小豆餡となる。とても旨そうだ。
色形は人形焼きにも似ている。
現在このお菓子を他で見ることはできない。今では、万年屋音羽(仮名)という京都の老舗だけが作っているという。
何故だろう。
「まんぷくラーメン」だって、発売と同時にみんなが真似をして類似品が出回ったというのに、一軒だけが独占しているとは…。
八ツ橋も、モミジまんじゅうも、いろんな会社が製造販売している。
これをくれた人がお店で買ったとき、とても硬いから老人には不向きだと言われたらしい。そのあたりに、秘密があるのかもしれない。
※歯が欠けないように気をつけて。