ぷちっとした発見 | 宇則齋志林

宇則齋志林

トリの優雅な日常

 近頃家人とウォーキングをはじめ、体力づくりのために、脚に重りを巻くことを思いついた。初めは、500グラムのアンクルウェイトを買ってきて使用していたが、若干物足らなくなったので、1キロに増量した。


 これを一週間ほど使っていると、いつしか1キロの重量感が消え、全く空気のように足が動くようになったので、500グラムの上に1キロのものを巻いて1.5キロにして使っていたが、脚に当たる感触がよろしくない。


 そこで、この際だと思って、2キロのアンクルウェイトを購入した。2キロはさすがに重く、かさばりもする。2リットルのペットボトル2本脚に巻いて歩いていると思うと、若干変な感じもするが、脚に巻きつけると、歩きにくいというほどではない。


 しかし、うちの中で使っていると、スリッパをはくとか、掃除をする時の足運びと言ったような場面で、微妙に違和感がある。そして、なぜか上半身の動きも粗雑になったような気がした。


 初めは重りを付けているからだとは思わなかったが、どうも脚の動きが鈍ると手つきなどもぎこちなくなるらしいことが分かってきた。そして――。


 ふと、祖父が晩年の頃、箸を持つ手つきなどが怪しかったのは、もしかしたら、脚が悪くなってきていたからではないか、と思い至った。老化して手先自体の器用さもある程度失われるのだろうが、その原因は足にあったのではないか。そう思ったのである。


 脚は第二の心臓とも言われ、健康維持のために重要であることは言を俟たないが、上半身の動きにも関わっているのではないだろうか。無論、車椅子生活をしていて、手先が器用な人はたくさんおられるだろうが、そういう方でも、足が不自由になった当初は、手先の器用さも半減していたのではないだろうか。


 思いつきの仮説にすぎないけれど、これで上半身をうまく使うコツは、明らかに足腰の丈夫さにかかっているという事実を裏付けることができるのではないだろうか。