Vol.48
「そういうもんじゃ」と思った瞬間に
見えなくなる景色もあるんかもしれんね
原田 慎也とは・・・
迷いを消すのではなく
迷いの中でもブレない在り方を
体現する支援者を増やす
これをビジョンに
現場で今も
「人とどうすれば深く繋がれるか」
を探り続ける実践者
それではどうぞ~
最初に見えた景色
先日
ある人と話をしとったんよ
第一印象は
正直あまり得意なタイプじゃなかった
なんとなく近寄りがたい
なんとなく話しにくそう
そんな感じ
でも
話をしとるうちに
少しずつ印象が変わっていった
気づけば
もっと話を聞いてみたいと思っとった
不思議よね・・・
最初に会った数秒で
僕は勝手に
「あぁ、この人はこういう人なんじゃろうな」
って思っとった
でも実際には
全然違う景色があった
どうやら
相手がそうじゃったんじゃなくて
僕がそう見とっただけじゃったみたいなんよね
考えてみたら
こんなことって案外多いんかもしれん
初対面の人だけじゃない
患者さんも
ご家族も
そして
自分自身も
気づかんうちに
「こういう人」
というラベルを貼っとることがあるんじゃろうね
人は地図を描きたがる
考えてみると
僕らは案外早く答えを出したがる
一度会っただけ
一度失敗しただけ
一度傷ついただけ
それなのに
「あの人はこういう人」
「自分はこういう人」
「世の中はこういうもの」
って
いつの間にか決めてしまう
もちろん
その方が楽なんよ
分からんままを抱えとくより
答えがあった方が安心じゃけんね
だから僕らは
目の前で起きた出来事から
一枚の地図を描く
そして
その地図を見ながら
生き始める
でも本当は
地図って
何度も描き直すものなんじゃろうね
新しい道ができたら書き足す
間違っとったら消してみる
でも僕らは
一度描いた地図を
ずっと持ち続けることがある
10年前の地図で
今の景色を見ようとすることもある
昔傷ついた経験で
初対面なのに
どこか距離を取ってしまう...
昔失敗した経験で
一歩踏み出そうとした足を
自分で止めてしまう...
昔の自分で
今日の自分に
点数をつけてしまう...
そう考えると
苦しみの原因は
今の景色じゃなく
昔描いた地図とのズレなんかもしれんね
その地図は、いつ描いたものなんじゃろう
僕は最近
人は思い込みで苦しむ
というより
思い込みによって
守られとる
こともあるんじゃないか
と思うことがある
「あの人は嫌な人」
と思えば
もう考えんで済む
「自分には無理」
と思えば
挑戦せんで済む
「世の中はそんなもん」
と思えば
傷つかんで済む
それはきっと
自分を守るための知恵でもあるんじゃろう
でも
その安心と引き換えに
見えなくなる景色もあるんじゃないかと思う
実際
僕自身もそうじゃった
人を見る時も
物事を見る時も
自分を見る時も
「そういうものじゃ」
と決めた方が楽じゃけんね
でも最近は
そう言い切ることに
少し慎重になった
なぜなら
今まで何度も
「そうじゃなかった」
を経験してきたから
あなたも、そうじゃない?
僕は誰かの答えを
否定したいわけじゃない
ただ
自分が握りしめとる答えだけは
時々見直してみたいんよね
今見とる景色が
本当に景色そのものなんか
それとも
昔描いた地図を見とるだけなんか
僕にはまだ分からん
じゃけん
時々立ち止まって
地図じゃなく
景色の方を見てみたいと思うんよ
