5月2日(水)~5日(土)、日本・フィリピン友好議員連盟の一員として首都マニラを訪問しました。
現地の気温33度。
空港に到着してワゴン車に乗り込む時、さすがにどっと汗が流れてきました。
フィリピン入国は、昨年1月5日に訪れて以来となります。
昨年の訪問の折もアキノ大統領を表敬訪問し、その際は地上波・デジタル放送の日本方式採用や介護福祉士の日本受け入れ、私権制度の在り方、そしてODA政府開発援助についてなど幅広い意見交換を行いました。
また、ビナイ副大統領主催の朝食会では、同僚議員の中村博彦議員と私は副大統領のご自宅へ招いていただきました。ご夫妻の温かい歓迎や人となり、ざっくばらんなお人柄に感激したことを今でも覚えています。
あれから1年が経ち、話し合ったテーマがどう進展しているのか、フィリピン政府の対応が気になるところでもありました。
今回の日程では、15名の衆・参議院議員がフィリピン側議員連盟の方々とディスカッションを行い、その後共同声明を発表することになっておりました。
この1年間でフィリピンに行った大きな問題は、本年4月8日にマニラの西沖合280キロ地点にあるスカボロー礁周辺海域で、領海問題からフィリピン中国両国の監視船がにらみ合いを続けていることです。
発生直後、フィリピン政府がフリゲート艦を派遣し、その後同艦を紛争海域から引き揚げさせました。
同種の問題として我が国もまた、尖閣諸島での中国漁船衝突事件があり、フィリピン政府の対応が注目されます。
現在、フィリピンは沿岸警備隊の監視船を同海域で中国側の行動を監視しております。
両国ともこれ以上の事態の悪化は避ける状況です。
●5月2日
オチョア官房長官にお目にかかり、地上波デジタル放送の日本方式についての説明・意見交換を行いました。
●5月3日
アキノ大統領を表敬訪問し、約1時間半程度精力的な議論が交わされました。
アキノ大統領からスカボロー礁について、基本的な考え方が述べられました 。
①中国は自ら苦境に追い込んでいると私は思う。
②中国漁船が周辺海域の絶命危惧種を捕獲している行動は許せない。
(これに関して大統領ご自身のパソコンに取り込まれた写真を見せてくださいました)
③しかし、この問題はあくまでフィリピンと中国の二国間の問題であることを決して忘れてはならない。
議員間での話し合いは、経済交流セッションと安全保障セッションとに分けてディスカッションをする予定でしたが、フィリピン議連の意向で同じ部屋で全体会議に変更となりました。
しかし結局議論は3時間にも及び、当初の予定通りそれぞれのセッションを分けて議論をした方が効率的であったと思い、残念でありました。
私はスカボロー礁の問題について、
①2011年、東アジアサミットで複数の国々から表明された南シナ海での「行動規範」策定に向けた外交的な取り組みが必要ではないか。
②域外の国々との協力、国際機関の活用、国際法による解決を目指すべきだ
との主張をしました。
フィリピン議員側からそれに対して、行動規範の策定の必要性、スカボロー礁の問題について説明があり、また国際海洋法裁判所に対してフィリピン政府単独でも提訴すべきだという考えが述べられました。
そして、マラガニアン宮殿へ参りました。
マラガニアン宮殿に入ったのは、これで3回目です。
式典が行われると思われる大広間には、マルコス元大統領・イメルダ夫人の肖像画が壁に掛けられていました。
革命が起こって、一時亡命をしたお二人ですが、歴史は歴史としてきちっと評価をする、フィリピン政府の対応に敬意を表した次第です。
自民党本部8階ホールには歴代総裁の肖像画がかけられています。
かつて、海部俊樹総裁が一時離党をした際、肖像画が外されたことを覚えています。
しかし、歴史は歴史として謙虚にまた重く受け止め、あのような度量の狭い対応をやるべきではないとフィリピンにて思うのでありました。
写真は別途アップ致します。