皆さん、あの和歌山カレー事件
林真須美死刑囚のことをどう思っていますか?


「東スポweb」より


衝撃的なドキュメンタリー映画を観ました


現在公開中、昨日まで初舞台の「リア王」公演だったので、やっと今日見ることができた作品


「マミー」



林眞須美死刑囚は無罪であると

冤罪を主張するドキュメンタリー映画です


この映画を見て思った事は

「今の状態では眞須美死刑囚を処刑してはいけないのではないか」と言う感覚です


1990年代後半

オウム真理教事件

地下鉄サリン事件

阪神淡路大震災

酒鬼薔薇聖斗事件…


ワイドショーリポーター

ニュースのメインキャスターとして私が日本の歴史に残る事件災害の取材を次々と続けている中で、和歌山カレー事件は起きました


映画では、メディアスクラムとなって騒ぎ立てるばかりでしっかりとした検証報道をしていないマスコミの責任も指摘しています


私は当時

現場となった園部地区に何度も足を運び、林健治氏、眞須美死刑囚の自宅にも上がり、単独インタビューも体験して、逮捕当日には自宅前で実況を行いました

そのメディアスクラムの中にいた当事者の1人です  


本人は否認

しかし、様々な状況証拠が、彼女と結びついていくので死刑判決は仕方がないと私自身、感じていました


裁判のやり直しを求めた再審請求は3度目となっています


「判決は妥当でない」と主張する側の、その細かな主張の内容を、大マスコミは確かに伝えていません


疑問に感じた二村真弘監督の執念の調査報道、検証報道が、このドキュメンタリーです


スプリングエイトと言う最新の巨大分析装置を使って得られた


【眞須美被告の自宅にあった亜ヒ酸(猛毒のヒ素)と、カレー鍋に入れられた亜ヒ酸は、同一のもである】

と言う鑑定結果は、死刑判決の決定的証拠だと思っていました


しかし、その鑑定には、大きな穴があったということ


その他、判決理由に、いくつもの疑問点が浮かび上がってくる

合理的に作品を構成し見るものを納得させる力を持っています


一方で、夫婦が、ヒ素を使って保険金詐欺を繰り返していたことも重要な客観証拠となっています 


本作の中で保険金詐欺事件に対する、夫の健治氏が罪の意識があるのか、わからないような口調で語る

”真相”はかなり衝撃的で注目に値します


当時様々な取材を行いましたが

眞須美死刑囚は冤罪だろうとここで感想を述べることはできません


ただ、繰り返し言いますが、今の状態では、彼女を死刑にしてはいけないのではないかと

この作品を見て強く思いました


ですから眞須美に【死刑囚】と肩書きをつけるのも、やや抵抗があります


かといって【眞須美さん】と記すのはさらに抵抗があります


処刑をするには、一応の合理性は整っています

しかし、これだけ反証が上がるのならば、さらに納得のいく判決理由を付け加える必要があると感じたのです


「マミー」


あの当時、取材をした報道陣は全ての人が見るべき作品であり

この事件に少しでも興味がある人はぜひ鑑賞することをお勧めします


裁判制度の不備、再審請求のあり方も考え直さなければいけないとまで感じました


皆さんはこのドキュメンタリーを見てどう感じるでしょうか?


自分のやってきたことへ、自戒の念を抱いたのも事実です


誰もが死刑は当然と考えている中

立ち止まって考えてみませんかと言うこの映画


情報が溢れている今の世の中で、見る価値のある1作です


これを見て、皆さんそれぞれがどう感じるか

そこに様々な意見が生まれると言うのも正しい反応だと思います


私が鑑賞したのは

渋谷映画館のイメージフォーラム


受付で聞いたところ、

「まだしばらく上映します」と言っていました



よかったら、ぜひ

私も当時の仲間たちに勧めているところです


全国の上映館はこちらで確認してください



マミー予告編です。こちらからどうぞ。