鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんに「男おばさん」の取材でお会いしました
早くも今年2023年の映画賞に名乗りを上げる素晴らしい映画が誕生したんです
その名は「エゴイスト」
鈴木さんと、宮沢さん、2人の男性同士の愛を描いたラブストーリー
一般的には、BL（ボーイズラブ）にジャンル分けされる作品ですが
そのジャンルにとらわれない深い人間愛を描いています
とにかく見ればわかる
この2人の佇まい、会話、しぐさ、情感…
これまでのLGBTQの作品群とは全く違うレベルに達しているということがわかると思うんです
お2人が会話しているだけなのに、ゾクゾクしてしまいます
作品の根幹にあるのは
松永大司監督の
「絶対に嘘のないように描きたい」
「ゲイの人たちから、これはないな、と思われない映画にしたい」
と言う強い意志
まさにその通りになっているのではないかという、生々しいリアルを感じます
ゲイの人ってこんな感じ
LGBTQの世界ってこういうイメージというところを乗り越えて
ドキュメンタリーのように生々しく迫ってくるのです
お2人にインタビューして感じたのは
面白い映画を作ろうとか、感動してもらうとかということ以前に
真剣に「これで嘘は無いか」と言うところを突き詰めて役と向き合ってきたこと
松永監督の考えの下、ワンシーンワンカットで
シーンの流れは決まっているけれども、セリフが固まっていない撮影方法
キャラクターとしてしっかり生きていなければできない手法です
そして、全てのシーンがドキュメンタリー映画のように、リアルに観る者に迫ってきます
それは、カメラワークやルックがドキュメンタリータッチであると言うものとは根本から違います
2人の支えになっていたのが
LGBTQ+inclusive director （インクルーシブ・ディレクター）のミヤタ廉さんです
こうした肩書きのスタッフは日本映画初かもしれません
アドリブとも言えないエチュードと言う形の撮影の中で
当然
「ゲイの人たちはそこまでやらない」とか
「もっと突っ込んで」とかいろんなことがあるそう
台本作りから廉さんが全てチェックして、仕草から感情から修正する
廉さんの徹底的な指導で作り上げられた、大変な手間をかけた映画だと言うこともわかりました
廉さん、インタビュー現場にも立ち会っていらっしゃって、明るく撮影に応じてくれました
お二人は、松永監督のこだわり、そして廉さんがいなければ、この映画はこんな風にはできなかったとも言っていました
私がしのごのいっても、この映画の魅力は、観ないと分かりません
そして、もう一人間強力なキャラクター
それが宮沢さんの母親役をやっている
阿川佐和子さんです
女優さんではありません
でも、すごいんです
自然体の演技の極みと言うのはここにあるのかと言う
私がTBSのトーク番組「サワコの朝」に出演した時に出会った阿川さんと全く同じ阿川さんがスクリーンの中にいるのです
そのままそこにいるんですが、完全に宮沢さんの母であり、私は阿川さんに泣かされました
2月10日公開です。ぜひとも劇場に足を運んで目撃してください。
今年の年末から来年にかけて、2023年の映画賞に
鈴木さん
宮沢さん
阿川さん
3人は必ずノミネートされ、誰かは絶対に受賞すると、まだ1月ですが、私は断言します！！！
そしてこの映画も、作品賞として、どこかの映画賞に輝く、そんな期待が膨らんでしまいます
こういう作品に、突然出逢ってしまうので、映画を見るのはやめられませんね
場面写真は、エゴイストホームページより
