嬉しいニュースが飛び込んで来ました
私が生まれてはじめて出演した映画のCM「百花」
スペイン最大の映画祭
「第70回サンセバスチャン国際映画祭」において
「百花」の川村元気監督が
最優秀監督賞を受賞したのです
菅田将暉さんと原田美枝子さんの母と息子の愛情を描いた「百花」
原田さんて良い人を演じることが多いのですが、この作品で原田さんが演じる母親は罪深き女性
その母が認知症になり、自分の犯した罪をどんどん忘れていってしまう
その度に、息子として忘れたい記憶に向き合っていかなければいけない菅田さん…
とても切ない物語ですが
認知症に対して新たな見方もできる、深い愛を感じる作品なんです
完成披露舞台挨拶の司会もさせていただいたので私にとっても思い入れの強い作品で、とてもうれしい受賞です
実は裏話があって、1年以上前に「男おばさん」の取材で撮影現場に行きました
ところが事前に
「重要なシーンなのでカメラを回すことができません。それでもいいですか?」とスタッフから要請があり、その日は私一人で見学に行きました
映画はすべてのシーンがワンカットの長回しで、その日も菅田さんと、妻役の長澤まさみさん、原田さんの重要なシーンを繰り返し撮影していました
初監督作品となる川村監督は丁寧に3人を演出していました
取材できないので空き時間には
菅田さんを長澤さんとおしゃべりしてました
完成した映画を観て、私は愕然としました
ない!
苦労して撮影していたあの日のシーン
全部カット!
川村監督は日本の映画人の中ではヒットメーカーとして有名なプロデューサーでもあります
言い換えれば、脚本や出来上がった映画のシーンを容赦なくカットして、作品がより良い作品に(よりヒットする作品に)するのが仕事ともいえます
「君の名は」など日本の国民的アニメ監督、新海誠監督の新作アニメ
来月公開の「すずめの戸締り」のプロデューサーでもある川村監督
自分の作品にも容赦なくメスをいれた結果、手にした監督賞と言えるのかもしれません
実は原田美枝子さんも、認知症映画を初監督しているのを知っていますか?
「女優 原田ヒサ子」
ドキュメンタリー映画です
認知症の原田さんの母、ヒサ子さんは「私は15歳の時から女優をやってるの」とまわりの人たちに話しています
でも、それは原田美枝子さんの話
認知症で、完全に記憶が置き換わっているのです
原田さんは、ある種の使命感を感じてカメラを回します
そして、お母さんのために家族みんなであることをしてあげるのです
観ていて涙があふれてきました
「百花」よりも泣いてしまいました(スミマセン)
ドキュメンタリーだったので、リアルに、認知症でこの世を去った父のことを思い出してしまったのです
23分間の短編、原田美枝子監督作品「女優・原田ヒサ子」はネットフリックスでいつでも観ることができます
この体験もあって、「女優・原田美枝子」としての「百花」での見事な演技につながっていると思うと、是非みなさんにも見ていただきたい
できることならば、どこかの劇場で2本同時上映やってくれないかなあ
ネットフリックスさん!
どうぞよろしく、お願い致します
「百花」は劇場公開中です
川村監督本当におめでとうございます