「沈黙のパレード」

映画ファン、ミステリーファンならご存知でしょう 

 

 

東野圭吾原作、ガリレオシリーズ最新作の超ベストセラーです

 

福山雅治さんが9年ぶりに湯川教授としてスクリーンにカンバック

9月16日に映画が公開されます

 

一足先に拝見しましたが

感動的で非常に面白かった

ガリレオシリーズにハズレなしです

 

今回の本題はここからです

 

実は今日未明、BBC放送の

エリザベス女王生特番を見ていて

この「沈黙のパレード」と言う言葉が頭に浮かびました

 

エリザベス女王のご遺体を運んだ車がスコットランドのエディンバラに6時間かけて到着したのです

 

 

(TBSより)

 

霊柩車はガラス張りで、イギリス国民がエリザベス女王の棺を直接見送ることができると言う配慮がされていて、驚きとともに温かな気持ちになりました

 

 

テレビ朝日より

 

妻はずっとその中継を見て、時折涙していました

 

私は夜「ノープ」と言うSFスリラーを見るために外出していたので、最後エジンバラに到着する模様から見ていました

 

本当に沿道には多くの方々が集まってきていて、しかも皆がスマホで撮影するわけではなく

頭を下げて哀悼の意を捧げる方も少なくありませんでした

 

本当にエリザベス女王は愛されていたのだなと中継を見ながら感じました

 

 

 

 

 

田園風景から、エディンバラの中心街に入ってくると本当にたくさんの人、そして人

 

 

 

(TBSより)

 

ところが、ここで実況中継を担っている特別番組のキャスターが

 

「送られる拍手に耳を傾けましょう」

 

と言うと、5分以上、実況することをやめて沈黙を守ったのです

少々衝撃を受けました

 

日本ならば、番組キャスターの腕の見せ所だったり

現地リポーターが生々しくリポートをするところです

 

こういった場面での生中継は私も体験したことがあります

 

実況アナウンサーは、実況するためにいますし、映像を言葉で埋めていくことが仕事です

 

ところが私が局アナをやっている時代から

「フィギアスケートの実況アナウンサーの声が余計」とか

「サッカー、野球の実況中継のアナウンサーが興奮しすぎていて音を消してしまう」と言う意見がインターネットを通じてTV各局に届いていました

 

「アナウンサー不要論」なるものがネットで取り沙汰されることもあり、少々悲しい気持ちにもなりました

 

しかし、BBC放送の特別番組を見ていて、本当に肝心なときには

しゃべらないほうがいいと言う

ことを改めて感じたのです 

 

それはまさに「沈黙のパレード」でした

 

葬列はパレードではありません

 

でもなぜだか私の頭の中にはそのキーワードが浮かんでしまったのです

 

映画は、パレード中に起きる殺人事件に対し、なぜかパレードの参加者たちが皆、沈黙を守ると言うミステリーです

 

しかしアナウンサーである私は

今日

「これこそ沈黙のパレードだな」

と思ったのです

 

アナウンサーやリポーターと言う職業を否定するわけではありません

 

しかしメインキャスターが沈黙を守った5分間は、とても心安らぐ温かな時間が流れました

 

さらにキャスターは、霊柩車が宮殿に到着しても、しばらくは黙っていたのです

 

私ならすぐに

「エリザベス女王のご遺体が今、宮殿に到着いたしました」

と実況してしまいそうです

 

今はもう局アナではないので

そうしたニュースの現場で実況する事はなくなりましたが

 

現場に立つことができるならば、改めて 理想の実況と言うものにチャレンジしたいなと

そんなことを感じました

 

妻、茅原ますみのブログ、ここで妻もイギリスのことを書いています

 

 

 

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