すみません、かなり長い文章です


日本テレビの菅谷大介アナウンサーが膵臓がんを公表しました




日本テレビホームページより




現場などで何度かお会いしたことがあるのですが、何か他人事に思えなくて

ずっと心がざわついています


今年1月に膵臓がんと分かって

4月に手術

手術から4ヶ月たって公表


勇気や決断も必要だったと思いますが、私は同じがんサバイバーのアナウンサーとして

「公表できて良かったな」と思いました


この間どんな思いで治療に当たってきたか?


視聴者の皆さんにがんを隠しながら、仕事を続けると言うことがどう言うことなのか?

痛いほどわかっているので


ほんとに体も痛いんですけれども、心がね、きついんですよ


不祥事でも何でも

統一教会との関係でも

「正直に語るように」

「公表するように」

とニュースが伝える中で

アナウンサーとして、自分の病状のを隠しているって、ほんとに辛いことなんです


その期間を乗り越えて、ようやく世間に公表できたこと、正直なところはご本人に聞かないと分かりませんが「ほっと」しているのではないかなと推察します


ネットニュースなどで詳細を拝見すると、がんの告知を受けた日に部長さんに

「公表してこの経験を伝えたい」と話をしていたり

「がんの最新医療を取材したい

と語っている姿を見ると

もう私と全く一緒なんです


ニュースの現場にいて考える事は、自分たちは人の経験したことを間接的に伝えていると言うこと


ですからなるべく取材対象者の思いとか、話してくれたことを視聴者の皆さんに何とか正確に豊かに伝えたいと仕事をしてきました


それが、自らがんになると

自分自身が取材対象者になるんです


間接報道ではなく直接報道になる


伝え手としてこんなにパワフルな状況はありません


菅谷アナウンサーも「news everyサタデー」のメインキャスターを8年間も担当して、きっと同じようなことを感じているのではないかなと思います


それでInstagramを始めたのではないでしょうか(早速フォローしました)


なんだか仲間を得たような気持ちなんです


そうした中で菅谷アナのインタビューを読んで注目したのは

彼が通院しながら抗がん剤治療を受けて手術、そして早々に仕事復帰をしていると言う事実です


これはとても貴重な体験です


私はフリーになった直後だったので働きながら治療を受けたかったのですが

ステージ4で難しい状況と言うことでそれが許されませんでした


しかし私の悪性リンパ腫「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」は、通院で抗がん剤の治療受けている方がほんとに多いんです


医学の進歩によって働きながらがんの治療を受けることができるようになりましたが

これがどれほど大変なことかは、退院後、患者会などに参加して

いろんな方に話を伺いました


確かに私は大量の抗がん剤治療でしたが、考えてみれば寝て倒れていればよかったんです


苦しかったらナースコールで看護師さんを呼べばよかったんです


しかし通院で抗がん剤治療を受けている人たちは

周りに迷惑をかけちゃいけないと抗がん剤の苦しみに耐えながら働いて、子育てをして、家事炊事をする


これってほんとに辛いことだと思うのです

菅谷さんはどうそれを乗り越えていったのか?


がんサバイバーの皆さんは「笠井さんほど大変じゃなかったから」と言う方が少なからずいるんですが、通院のがん治療を行っている方の数は大変多く、とても役立つお話ができると思います


しかも私はステージ4まで気づくことができなかった、いってみれば「しくじり先生」


菅谷さんが膵臓がんでも社会復帰がすぐにできた体験談は、

「定期検診の重要性」や

「抗がん剤治療中はどんなふうに周りに接して欲しいのか」など

たくさんの方の参考になると思います


いろんな方のヒントになると思うんです


そこで菅谷さんから早くもヒントをいただきました


ネットインタビューを見ると

菅谷さんはがん告知を受けたあと「同僚アナウンサー全員に病名告白のメールを送った」そうなんです


そうすることによって、抗がん剤の副作用で辛いときには仕事を代わってもらったりすることがやりやすくなったそうです


入院までがんのことを隠そうとしていた私にはできなかったことです


しかし、一方で極めて重要なことも語られていました


それは同僚アナウンサー以外

「制作スタッフにはがんのことを隠していた」と言う事実です


実は職場で抗がん剤治療を受けていることを隠しながら働いている方って少なくない


それは周りから起きる心配の言葉に、疲れてしまうと考えたり

大事な仕事から外されてしまうんではないかと恐れたりするから


一般には

「アンコンシャス・バイアス

(無意識の偏見)」と言われるもので、本当はそんなに心配しなくてもいいのに、優しさから差別してしまう、日本人にありがちな感情ですよね


声をかけてる本人には差別意識はありません

むしろ同情心


寄り沿ってくれるのは嬉しい

でも、過剰な同情は患者本人のストレスになってしまう


そんなことを感じているがん患者の皆さんの声をいくつも聞いてきました


菅谷さんはどうだったのか?

今どうなのか?


いろんな苦労があったのではないかなと思うんです


一方で私がよく言う

「がんになったからこうなれた」と言う気づきもあったのではないかと思います


直接話を聞きたいなと今、強く願っています


そして同じ「がんサバイバーアナ」として、共に役立つ活動ができればなと改めて感じています


いまは、山を乗り越えたところだと思いますが

菅谷さんの状況がさらにどんどん良くなっていくことを祈っています


最後に

日本テレビの方に一言だけ


菅谷アナと岩本アナの貴重なインタビューなんですが、動画で見ることができないのでしょうか?


私の探し方が下手なのかもしれませんが、見つかりません


ぜひ動画でこの貴重なトークをいろんな方に見せてあげてほしいと思います


もし動画で公開されているならば気づいた方はURLをコメントで教えてください


よろしくお願いします


その菅谷大介アナウンサーと岩本乃蒼アナウンサーの貴重な対談は


こちらからお読みください


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