松本白鸚さんが主演する

「ラ・マンチャの男」

全公演中止が今日発表されました

 

 

 

 

もちろん原因はコロナです

 

あまりにも悲しくあまりにも

かわいそうな現実です

 

白鸚さんは20代の市川染五郎時代から「ラ・マンチャの男」を演じて53、その主人公を他の人が演じる事はなく、ここまで走り続けてこられました

 

凄まじい努力と鍛錬だと思います

 

しかも、お客さんが入らなければ再演はあり得ませんから

それだけ、とてつもない記録

 

今回、「ファイナル公演」と銘打って舞台に立たれていらっしゃいました

 

私は、その千秋楽のチケットを持っているのです

 

というのも私にとって「ラ・マンチャの男」はとても重要な作品だから

 

あれは今から42年前

高校2年生の時

東宝の演劇部に勤めているプロデューサーの伯父から

「招待券をあげるからミュージカルを観に来ないか」4枚チケットをもらいました

 

高校の友人3人を連れて見に行ったのですが、驚きました

 

全く面白くない

 

舞台は暗く、最初から最後まで牢屋の中、あとは主人公の妄想

 

いったいどこが良いのか

高校生の私には全くわからず

誘った友達に観終わった後

「つまらなくてごめんな」と謝ったのよく覚えています

 

そして、私はフジテレビのアナウンサーなりました

 

「ラ・マンチャの男」が実は有名なミュージカルである事を知り、

その後、何年かごとに観に行くように

 

そして、4回目だったでしょうか?

 

40歳を過ぎて観たラマンチャの男

「見果てぬ夢」のその歌詞と調べに、私は初めて涙したのです

 

そういうことだったのか!

 

歳をとってから経験を積んでからわかる物語と言うものはあるんですよね

 

やっとこのミュージカルに追いつくことができた

そんな感動もありました

 

高校生の私に「ラ・マンチャの男」を勧めてくれた伯父は、その後「悪性リンパ腫」で亡くなりました

 

そう私と同じ病気です

今から30年前、当時は助かる医療の技術がなかったようです 

 

そんな伯父への思いもあって、このラスト公演は絶対に観なければと心に決めていたのです

 

千秋楽を楽しみに待っていましたが、やはり舞台の皆さんの健康が1番ですよね

 

これは仕方がありません

 

しかし、一番無念に思ってらっしゃるのは、他でもない白鸚さんご自身だと思います

 

最終的なご挨拶も何もないままに、公演は途中で中断しています

 

果たしてこのような形で日本の演劇の大いなる財産と言える「ラ・マンチャの男」を終わらせて良いのでしょうか

 

これでは.次の方にバトンタッチができないと思います

 

私たち観客のためと言うよりは

松本白鸚さんのためにも、

改めて最終公演を実現していただけないでしょうか?

 

白鸚さんにその気持ちがおありならば、完全にそれを応援したいと思います

 

関係者の皆さんご検討よろしくお願いいたします

 

そして松本白鸚さん

ここまで本当に本当に

素晴らしい舞台「ラ・マンチャの男」を

ありがとうございました

 

笠井信輔フォローバナー