心に染みた2本の映画

大変感銘を受けた2本の映画が現在公開されています

「ヤクザと家族 

　　　　　The Family」
「すばらしき世界」

綾野剛さん、役所広司さん
若手実力派俳優と国民的人気俳優が
それぞれの作品で主演を務めているんですが、
2つの作品は“似た世界”を描いているんです

「ヤクザと家族」の綾野さんは、
19歳で暴力団組員となった男が、
その後どう生きたかと言う39歳までの20年間を描いた作品です

1999年、2005年、2019年と3つの時代に分かれていますが
綾野さんの演じ分けが見事です

やくざの強さに誰もが憧れる時代
そして暴対法によって経済ヤクザに変化していく時代
さらに現在は、反社会的勢力として、社会のゴミとして扱われる時代

この3つの時代を、主人公が
「組と言う家族」と「自分の家族」にどう向き合ってきたか、
クライマックスは涙なしには見られませんでした

これは令和時代になってついに出現した「日本版ゴッドファーザー」
綾野さんが、アルパチーノと重なって見えてくるのです

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一方、「すばらしき世界」の役所さんも元ヤクザという役

殺人事件を犯し、人生の多くを刑務所で過ごした男
そんな男が出所して、世の中でやっていけるのか？
そんな主人公に興味を持ったテレビ取材班が、
彼の密着取材を行うのですが、そこで何が起きたのかを描いています

長澤まさみ（厳しいプロデューサー）

中野大賀（悩めるディレクター）

とにかく役所広司さんなんです
1本の作品でここまで喜怒哀楽さまざまな表情を織り込んだ役所さんを、これまで私は知りません

あらゆる役を演じてきたはずなのに、
役所さんは私たちの想像を超える次元にたどり着いていることを見せつけてくれました

ここでもテーマとなってくるのは、
反社会勢力だった人物が、今の世の中で生きようとするとどうなるのか？
と言うことです

そしてさらに深く
「世の中をうまく生きていくためには自分を殺してゆく必要がある」
と言う視点です

この作品については徹底的に感想を書いた長文の映画評が、
MOVIE WALKER PRESSに掲載されました

よかったらご一読ください
（ホント、長いです(笑)）

こちらからどうぞ

笠井信輔アナが綴る「ジャーナリストであること、人として生きること」 【映画『すばらしき世界』特別寄稿】 - 2ページ目 ｜最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS

綾野剛さん、役所広司さん
ヤクザから元ヤクザになった男の姿を見事に演じきって、
2021年の映画賞レースは、2人が先陣を切りました

2本とも、やくざ映画と言うジャンルでは収まらない、
深い深い人間の有り様を描いている点が深く私の胸に刺さりました

緊急事態宣言が解除された地域もあります

ぜひ劇場で、2本の傑作を楽しんでくださいね