年末に向かって素敵な舞台が色々上演されていますが
先日、思わずうなってしまう舞台に出会ってしまいました

 
 


目白のシアター風姿花伝で上演されている
「ミセス・クライン」
 
出演者は女性3人だけ
母と娘とその友達
3人とも、精神分析医
 
      母…………娘……友人

肉親を失い悲しみに暮れる母とその娘が、
家族の死の原因を追求する中でお互いの精神分析を始める

そしてそこに合わせた娘の友人も2人の分析を始めるのですが…
 
第二次世界大戦前に実在した精神分析医親子の物語です

母娘なのに、会話は、まるで
相手の心を覗き込むような医者同士の探り合い
スリリングな言葉の応酬と展開に目が離せなかったです

これは、毒親の物語だと思いました
毒母の原点のような主人公のクライン

芝居においての「ダメ母」は、
大抵酒癖が悪く男遊びも派手だったりする人物が多いのですが
、クラインは非の打ちどころのない完璧な女性、愛情が深すぎて、しかし冷徹なもの言いしかできない女性
 
それを主演の那須佐代子さん
容赦なく演じきって、観客がくぎ付け状態
 
 
初めて日本語に翻訳された戯曲なんですが、これから様々なところで上演されるんではないかなと感じました
 
多くの女優さんがクライン役に挑みたくなるような
見事な戯曲なんです
 
20日まで上演していますが
なんだか今年の演劇賞レースに顔を出してきそうな予感がするお芝居でした
 
 
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