4回目の抗がん剤5日間

24時間連続投与2日目です。。

全6回ですから後半戦に入りました。

 

体はまだなんとかなってますが、指先のしびれが増してきて、

ついに、炭酸のペットボトルのふたが開けられなくなりました。

 

ふ~。

いくら頑張っても、自分の指でないようで

看護師さんをナースコールで呼んで、開けてもらってます。

ちょっと情けないです。

 

「頑張ってください!」

 

これまでインスタグラムやブログには

全国のみなさんから、いや、遠く海外の方からもたくさんの励ましの言葉をいただいています。ホントにありがとうございます。

 

ただ、

「頑張ってる人に、頑張って!と言ってはいけないと思ってます」

「笠井さんは頑張ってるので、頑張ってとは言いません」

そして、

「あえて言わせていただきます。笠井さん、頑張って!」

 

みなさんが「がんばる」という言葉にとても気を遣って下さることも分かりました。

 

考えてみれば、私たちは生まれてから「頑張れ!」という言葉を何回も何回もかけられてきました。

 

その最初は、生まれてくる瞬間です。

私は、3人の息子の出産に立ち会いました。

25年以上前からですから、生放送の司会やニュースのメインキヤスターを休むのに毎回苦労しました(イクメンの先駆けだったんですよ)。

 

これは三男が生まれれた瞬間。何度「がんばれ!」と言ったことか…


妻は出産に時間がかかるタイプだったので、あまりの苦しさに途中気絶しそうになったり、そうすると分娩室に響く息子たちの心音がどんどん落ちてゆくのです。


三男は安産だったのですが、それでも、お腹の息子の事が心配で、その「頑張れ!」は、妻と共に生まれ来る子どもたちのためにも、向けられた言葉でした。

 

寝返りをうつ、つかまり立ちをする、歩き始める。

その度、子供たちに「頑張れ!」と声をかけ…。

 

ハイハイができた時の次男

「がんばれ!」

 

初運転の三男「がんばって!」

左は次男(無線係)消防車なのだ。

 

私が首があげられるようになった時、両親も「がんばれ!」と声をかけたことでしょう。

 

そして私たちは、幼稚園、保育園、小学校で、友達を応援する「がんばれ!」を覚えるのです。

 

しかし、成長するに従って、頑張っても叶えられないことがあることに気づきます。

 

成績が上がらない。

部活動の試合に勝てない。

そもそもレギュラーになれない。

志望校に入れない。

そして希望の会社に入れない。

 

それでも周りから「頑張れ!」と声をかけ続けられて…。

その「頑張れ!」に「頑張る!」と奮起する人、くじけてしまう人。

 

 

「頑張ってるんだよ。でも、どうしようもないんだよ!」

 

私が、直接そう言われたのは9年前。

東日本大震災の津波の現場取材での事でした。

 

東松島の惨状

 

発災2日目に被災地入りし、毎日毎日悲惨な状況の被災者の皆さんに、どう声をかけてよいかわかりませんでした。

 

「頑張ってくださいね」

始めは、励ます意味で、そう声をかけていました。

 

しかし、ある被災者の方から「頑張ってるんだよ!」と悔しそうに言われたときに、

「もう頑張ってというのはやめよう!」とスタッフと話し合いました。

 

しかし、お子さんからお年寄りまで、家を流され、家族を流され、それでもみなさん本当に歯を食いしばって頑張ってるんです。

 

その姿を見ていると、もう涙しながら「頑張ってください!」と言うしかない自分がいました。   


でも、多くの方には「頑張って」とは言えずに、「体気をつけてくださいね」と声をかけ続けていましたね。

 

あいさつ以外、人生でもっとも使う言葉の一つが「頑張れ!」「頑張る!」なのかもしれません。

私は、「今、頑張らないでどうする!」と、常に自分を鼓舞しながらの56年間。

 

しかし、その価値観を大きく変えたのが、シンガーソングライターの宮崎奈穂子さんとの出会いでした。

このブログを読んでいる方の、どれほどの人が知っているのかな?

 

宮崎奈穂子オフィシャルブログ Powered by Amebaより

https://ameblo.jp/miyazakinahoko410/

 

もう、何年も前の事になります。有楽町のガード下で、キーボードを弾きながら若い女性が歌っていました。

いつもなら素通りする路上ライブでした。

 

しかし、その日はなぜか、その歌声と歌詞の内容に、聴衆に寄り添う様な宮崎さんに、私は時を忘れて足を止めてしまったんです。

 

気づいたら、アルバムを買っていました。

少し、宮崎さんとお話をして、感銘を受けたことを伝えました。

 

購入したアルバム「Milestone」は期待通りの優しさに満ち溢れた作品集でした。

 

そして10曲目の「がんばらない日 Part2」に、私は心を奪われてしまったのです。いい歌なんですよ。

始めて聞いた時、とめどなく涙が流れてきました。

 

「Milestone」から私の好きな曲3曲選びました。

時間があったら聞いてくださいね。

 

♪「頑張らない日PART2」

 

♪「優しい青」

 

♪「笑って」

 

路上ライブで苦労に苦労を重ねて、武道館ライブを成し遂げた宮崎さんですが、

派手ではないものの、しっかりと音楽活動を続けています。

 

映画の主題歌や、ローソンとコラボレートした曲を作ったり、

「なんでも鑑定団」にエンディングテーマを提供したり。

 

 

「がんばらない日 Part2」は

まさに私の気持ちを言い当てられているようで、

きつくなったら、この歌を聞いて涙してスッキリ

                (おっと裏番組↑)。

 

恐らく、この歌が心に響くのは、私が頑張ってるからなんです。

だから、「頑張らなくてもいいんだよ」と寄り添われると、気持ちが安らぎます。

 

でもね、人間ホントに頑張らないといけない時もあります。

定期テスト・部活・入試・入社試験・資格試験。

そして、手術、闘病…。

 

あきらめることは、いつでもできます。

でも、一縷の望みがあるのなら、「頑張る」のが私の生き方です。

 

だから、「頑張って!」で、いいんです。

その言葉を力に、4回目の抗がん剤治療も、悪性リンパ腫そのものも乗り越えようと思ってます。

 

今日は火曜日です。

いつものドラマ「10の秘密」を見て「向井理くん、頑張って!」とエールを送り、(だってあまりにも驚愕の展開で…)

そのあとは

「華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます」で「長嶋一茂、頑張れよぉ」と小声で大爆笑する。

 

さらに言うなら、日曜日は「テセウスの船」で真剣に「(竹内)涼真、頑張るんだ~!」と我が息子のように心配する。

 

 

人は誰しも、応援して、応援される。

こうして、また、人生で交わす「頑張って」が増えていく。


だからこそ🎵「がんばらない日」も大切なんですよね。