昨日は「発災から9年となる東日本大震災の企画書」を書いていました。
例年この時期は、震災企画の打ち合わせや取材が始まるのですが、今年は入院中のため3月11日に現地に行けません。
でも何かしたくて書き、旧知のディレクターに企画書を送りました。
そして今日は、3回目の抗がん剤治療を前に、担当の先生から治療の評価をしてもらう日でした。
「順調に行ってますよ」
「ほんとですか?」
妻は、涙目になっていました。
「ただ3回目は、これまで以上につらいかもしれません」
治すためです。踏ん張らないといけません。
TVでは、沢尻エリカさんの麻薬事件の初公判のニュースが目に止まりました。
このブログはニュース原稿ではないので、「被告」ではなく、沢尻「さん」で書かせていただきますね。
壁を乗り越えて、今、仕事の調子がいいのに、なぜ麻薬に手を出してしまったのか?
「いつかは公になると思わなかったのか?」
知らない仲ではないので、「もう何で!」と思ってしまうんです。
沢尻エリカさんとの出会いは、2005年公開の「パッチギ!」でした。
朝鮮学校を舞台に、日本人高校生と在日コリアン(沢尻)の淡い恋を描いた感動作。
チマチョゴリ姿の沢尻さんは、穢なき純真無垢な存在感と可愛らしさで観るものを釘付けにして、その年の新人賞を総なめにしました。
今日の公判で検察側が指摘し、私が1番驚いた点は
「19歳の頃から麻薬を使用していた」という部分でした。
19歳といえば2005年。「パッチギ!」が公開された年です。
信じられません。本当なんでしょうか?
さらに難病に侵されたヒロインを演じて日本中が泣いた、
PTAが選ぶ「子供に一番見せたい番組」第1位、
ドラマ「1リットルの涙」もこの年です。
あの芝居の裏で薬をやっていたなんて、何がどうひっくり返っても想像ができないのです。
確かに沢尻さんはインタビューのハードルが高く、特に若い女性がインタビュアーだと難しいと言われてきました。
一方、私が出演している「男おばさん」では、軽部さんや私が相手だと、沢尻さんは非常に機嫌よく盛り上がってくれました。
おそらく彼女は年上の人が好き、安心できるんでしょうね。
自分と同じ若さの女性だと、ついつい意地を張ってしまったのかもしれません。
それが「別に…」発言につながってしまいました。
2007年、「クローズド・ノート」の舞台挨拶。
あまりにも大ごとになったので、
「なぜ、あの日あんなに機嫌が悪かったのか?」
犯人探しが始まりました。
するとネットでは、容疑者の
1人として私の名前が挙がったのです。
実はあの舞台挨拶の直前のインタビュアーは、前日の最後に取材をした私でした。
その取材で気分を害された沢尻さんは翌日も機嫌が悪く、「別に」発言につながったとネットで指摘されました。
いやいや待ってよ。
沢尻さんは非常に機嫌よくインタビューを楽しんでました!
とにかく、あの時の司会者の苦労は、手に取るようにわかります。
私も映画の舞台挨拶の司会を、この30年数え切れないほどやってきました。
俳優の皆さんは口下手の人も多く、
「このメンツだと盛り上がるのが難しいなあ」という現場もいくつもありました。
でも、そういう時こそ腕の見せ所でありました。
舞台挨拶に関してはいくつもの忘れられない思い出があります。
2006年、海猿シリーズ2作目「LIMIT OF LOVE 海猿」
感動の上映後、役者の皆さんが会場の後方から登場しました。
当時、珍しい演出で大変な盛り上がり!
まるで映画の続きを、この会場で行っているように感じてしまった私は舞台上で感極まって泣いてしまった‼️のです。
「いどう びであきざんです😭」
すると伊藤英明さんが、
「笠井さん!司会者が先に泣いたら泣けませんよ」
俳優も会場の皆さんも大爆笑。
涙もろい自分を恨む結果なりました。
素敵な思い出もあります。
あれは30年前、薬師丸ひろ子さん主演「病院へ行こう」という病院内コメディ映画の舞台挨拶の司会を、入社4年目の私が担当。
非常に特別な思いで仕事に臨みました。
実は高校時代、私は、角川映画・薬師丸ひろ子主演「ねらわれた学園」の相手役募集に応募していたんです!
結果は落選。
1次の書類審査でおっこちました(笑)。
その憧れの薬師丸さんが目の前に!
最初の自己紹介で私は思わず
「狙われた学園の相手役に応募しました!」
薬師丸さんは、ニッコリあの笑顔で、
「本当に?ありがとう」といって握手をしてくださいました。
その瞬間、私は思いました
「追いついた」
笑っちゃうかもしれませんが、私にとっては「奇跡体験、アンビリバボー!」なんですよ。
さて、沢尻エリカさんです。
今日の公判で、彼女は「女優復帰については考えていません」と話しました。
誰でも過ちを犯してしまうことはあります。
一方で、そうした人達にも再チャレンジの権利はあります。
それがいつになるかは、「世の中の空気」と「反省も含めた本人の意思」、そのバランスだと思います。
今はそんな気持ちにもなれないのでしょう。
相当反省しているようですが…だったら、なぜやった?
また、そこに立ち返ってしまうのです。