2回目の【抗がん剤24時間5日間連続投与】
2日目の夜です。
2日目になって一気に体が重くなってきました。
昨晩は午前3時まで眠れず、起きるのが億劫で、朝食を食べて13時まで寝てました。あとはゴロゴロ。
今日1番のトピックは
結婚指輪を外したことです。
この29年間、はずしたことがありませんでした。
ある種の決断が必要でした。それは、仕方のないことでした。
前回の抗がん剤の後の写真です。
手がどんどん浮腫(むく)んできてしまい、結婚指輪で薬指が鬱血(うっけつ)してしまいそうでした。
看護師さんに相談すると「はずせませんか?」
しかしこれまで、いかなる治療でも、CTでも、MRIでも私は結婚指輪をはずすことを拒否してきました。
いや、それじゃちょっとカッコよすぎるか。
太ってしまって、はずせなくなったのです(笑)。
「これ以上進むとリングカットになってしまいますよ」
しかし、浮腫みをとる治療してもらって最悪の事態は回避できました。
そして今日、
「今回もまた指が浮腫んでしまうかもしれない」
そう思って指輪をいじってたら、まるで知恵の輪のように薬指の第2関節からスッと指輪が抜けたんです。
痩せましたもん!(←今の状況では自慢にならない)。
なんであれ、これでひと安心です。
しかし、安心ばかりもしていられません。
次の問題は、【指輪を病室のどこにしまうか】です
次に使うのは4ヶ月後…。
こういう時って考えすぎてしまうと、どこにしまったか忘れてしまうんですよね。
しかしあまり簡単なところに入れておくと他のモノに混じってなくなってしまうかもしれません。
自宅なら、いくらでも、いい場所があるのにい。
考えに考えた結果、私はスゴイことを思いつきました。
これです。
「腕時計にテープで貼り付ける作戦」。
これなら退院するとき、絶対に気付いて、そのまま何に事もなかったかのように指輪をはめることができます。
私はもう結婚指輪をなくすわけにいかないのです。
あれは、今から29年前――――
新婚時代でした。
「結婚指輪紛失騒動」勃発!
「どこで取ったの?どこではずしたの?」
当然、妻は詰め寄ります。
でも、全く記憶にないんです。
家中探しても見つかりませんでした。
夫婦の中に険悪なムードが漂いました。
そりゃそうですよね。結婚早々なくしてしまったんですから。
1つ考えられる理由――――。
26歳で初めて指輪ををする私は、あまりにも違和感があって。ジャストサイズから2サイズ大きい指輪を注文したのでした。
「ユルすぎてどこかに落としたんだよ」
神様の前で誓って交換したばかりの指輪だけに
新しく作ることに妻はとても抵抗があるようでした。
数日後、近所に住む妻の母が話を聞いてやってきて、
「ちゃーんと探したの?私が探してあげるわ」
といって掃除を始めてくれました。
すると、10分もしなかったでしょうか?
「あるじゃないじゃないのー、ホラ」
リビングの掃き出し窓のサンのところ、網戸のレールの間に挟まっていたんです。
お義母さんに大感謝です。
あんなに「救われたー」と思った瞬間は、人生そうあるものではありません。
やはり指輪はスポッと抜けていたんです。
すぐにお店に行ってサイズ直しをしました。
それ以来はずしたことはなかったです。
「はずしてはいけない、はずしたらなくす」
そう思ってきた29年間でした。
はずした感覚ですか?
なんかちょっと違和感があります(笑)。
指が軽いというか…。
妻は、「私の呪縛から解き放たれてー」って冗談をLINEで送ってきましたけど。
これで浮腫みへの不安は1つ解消しました
2回目の抗がん剤投与の良いところは、1回目の経験に即して対応できるので、その分だけ心に余裕ができます。
前回は真っ暗闇のトンネルを歩いていたんだけど、懐中電灯をもらった感じ?
しかし、相変わらずトンネルの中。
しんどいのは変わりません。
でも、あと4日でトンネルは抜けるのです。
そこまでの辛抱、辛抱。
独身のみなさん。結婚指輪はユルユルはダメですよ。
あ、そんなこと、常識なのかな?
それにしても、どうして”母親”という存在の人達は、探し物がうまいんでしょうね。