明日は「成人の日」です。

全国の成人の皆さん、おめでとうございます。

今日と明日、各地で成人式が開かれることと思います。

 

私の故郷は東京都町田市ですが、ここ15年ほど毎年、成人式の司会を担当してきました。町田市の成人式はとても独創的で、役場ではなく新成人の皆さんが実行委員となって毎年オリジナリティあふれる楽しい成人式を続けてきました。

 

 

 

街を歩いていたりすると、突然若者が

「成人式の司会をしてもらいました」

なんて声をかけてもらうことが、何度もありました。 

確かに、21歳から35歳ぐらいまで、町田市の成人式に出た方は、みんな私が司会ですものね。

声をかけてくれて、とても嬉しかったです。。

 

今年も司会に決まっていたのですが、「がん」になってしまい、とても残念…

まあ、こればかりは仕方がないです。

 

今日の本題はここからです。

 

今朝、私のラインに突然、羽織袴姿の青年の写真が送られてきました。

その写真を見て驚きました。

 

東日本大震災で親御さんを亡くした、当時、小学生だった

大田隆くん。

あの隆くんが、今日、成人式…。

ご親族が、その写真をわざわざ入院中の私に送ってくださったのです。

言葉にならないくらい嬉しかった。

 

私は、東日本大震災6日目に、津波の現場で小学生の隆くんと出会いました。

 

 

行方不明の親御さんを探してるところを取材させてもらったのです。

それは、震災取材の中でも忘れられない出来事で、

拙本「僕はしゃべるためにここ(被災地)へ来た(増補版)」(新潮文庫)にもその時の体験を書かせてもらったほどです。

 

 

     (新潮文庫)

 

津波で親御さんが亡くなったとわかっても、気丈に振る舞う立派な小学生でした。

その後も、取材とは関係なく自宅を訪ねて、成長の様子を伺って来ました、

その隆くんが、もう成人式!

確かに、あれから9年が経とうとしているんですものね。

 

当時、「笠井さんの顔を見ると、亡くなった家族のこと思い出して辛い」と、ご親族から聞き、しばらく行くのを遠慮した時期もありました。

そうした中でも、私の病気のことを思って、わざわざ成人式の写真を送ってくださった、その優しさに心が震えて、立派になった隆くんの写真を見て涙が止まりませんでした。

 

入院して25日、こんなに泣いたの初めてでした。

それは、つらい涙ではなく、うれし涙。

 

父も母もいない中、思春期をすごした隆くんとご親族の大変な9年間を考えると、

自分なんて病院で寝てるだけです。

抗がん剤治療を我慢すればいいだけなんです。

 

ご親族も皆、ちっちゃかった隆くんが、震災を乗り越えて

成人式を迎え安堵していることでしょう。

たまらずに、久しぶりに彼に電話をしました。

 

「笠井さんも、今、大変だと思いますが応援していますから」

 

ありがとね。

応援してるつもりが、いつの間にか、私が応援される身になっていました。

人生って不思議なものですね。

本当に本当に、成人おめでとう。

 

病気を治して、また東北を訪ねていかなければいけません。

 

 

【追伸①】

大田隆くんのお名前は仮名です。

彼のことを知る方がいても、コメント欄に実名など書かないであげてください。

 

【追伸②】

明日、成人の日()(祝)。

「とくダネ!」で、年末年始の私の入院生活を放送してくれるそうです。

お時間あったら見てやってください。

ブログの私が、動きますのでね。